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言葉よりも行動で

合宿も明日で終わりか…新名くんも、なんだかんだで一生懸命頑張ってたし、よかった。



※※※※※※


深夜、美奈子は廊下から聞こえる足音で目が覚めた。

そして、その足跡は美奈子の宿泊に宛がわれた一室の前で止まったのだ。

(やだ…嘘!! お化け…じゃないよね!?)

瞬間、開けられた扉から誰かが入って来る。

学校の怪談を思い出し恐怖する美奈子が、布団を被って耐えていると何者かはあろう事か、布団の中に入って来た。

その感覚に堪らず目を開けた美奈子だが、その姿を確認して安心する。
自分の横で眠る――不二山がいた。


恐らく、トイレに起きたはいいが寝ぼけて帰る部屋を間違えたのだろう…。


「…嵐くん、部屋間違えてるよ?」


肩を揺すってみるが起きてくれない。
両手で体を揺すり、頬をペチペチと軽く叩いていたらようやく目を開けた。


「………………」
「嵐くんの部屋はとな…」


一瞬だった。
何が起きたのかわからない。

気付いたら、美奈子は抱きしめられていた。
目の前には不二山の顔が間近にあり、次いで唇への圧迫を感じた。

あぁ、キスされてる…と理解した美奈子は抵抗を始めたが、抱きしめている不二山の腕は解けるどころか、より強固になる。


しばらくして、無理矢理唇をこじ開けられる形で舌が入れられた。
鼻から呼吸出来たが、その度に自分のものとは思えない甘い声に耳を塞ぎたくなる。

いつまで続くんだろう……と酸欠で若干朦朧とする頭で考えてたら唇が離された。

その途端、パジャマ代わりに着ていたTシャツをめくられて下着を付けてない胸が晒される。


「い、やぁ…!!」

退けようと美奈子が腕を掴むがびくともしない。
それどころか不二山の手は胸を鷲掴んで離さなくなっていた。

不二山の手が動く度に形を変える厭らしい胸…いつしか抵抗を諦めた美奈子は自分の胸を見つめていた。

揉まれる度に勃った乳首が手の平を掠める感覚が堪らない。

(私、こんなにえっちだったんだ…)

目を閉じて、胸からの快感に集中すれば無意識に脚がモジモジと動いてしまう。そのとき、胸を弄んでいた不二山の手がハタッと止まった。

思わず目を開ければ…不二山がぼーっとした目でこちらを見ていた。


「おまえ…なんでここにいんの?」
「………なんでって…」
「ん? なん…………うわぁぁぁ!? えっ、何だよこれ!? おまえ、胸…まさか、俺が…したんか?」


途端に恥ずかしさが舞い戻り、顔を背けたまま頷けば形容し難い空気が辺りを充満させた。


「悪ぃ、わざとじゃねぇんだ…ただ、おまえに…そういう事してみたいって思った……」
「うん……えっ?」
「俺だって男だぞ? いつもベタベタ触られてたら、そういう気にもなる。おまえに触りたいって思ってた」

「……………」

「……なぁ、続き…ダメか? 俺、触り足りねぇ…つーか、さっきまで触ってたみてぇだけど意識なかったし…頼む美奈子」

「……いい、よ……嵐くんなら…」合宿中にこんな事になるとは思わなかった。
隣の部屋には新名が寝ていて…何より、ここは学校。

付き合ってる訳でもない男女が夜の校内で……ありえない状況に美奈子も興奮し始る。


不二山は先程のように胸を揉みながら、「すげぇ」だの「餅みてぇ」だの感想を述べてる。
聞いてるこっちが恥ずかしい…。
恥ずかしさから目を閉じれば、神経が胸に集中してしまい、また脚がモジモジと動く。


「あ、悪ぃ…今脱がすから」
「へっ!?」

あっと言う間もなく脱がされ、ショーツが不二山の目に晒された。

(変な下着じゃなくてよかった…)

見当違いな安心感に浸っていたら、不二山の指が下着の上から筋をなぞり、現実に戻された。

「もう濡れてんのな、おまえ」
「…はぁ、あん!!」

胸を揉まれるよりも強い快感。

自分でも下着が濡れてる事を理解していたが、改めて口に出されるとどうしようもなく恥ずかしくて泣きそうになる。

ましてや…密かに恋い焦がれていた不二山の口から言われたのだから尚更に…。




気付けば、お互いに生まれたままの姿になっていた。

不二山の指が先程から秘部に出たり入ったりする度に響く音…不二山の身体を直視できずに目を閉じているため、快感も水音もより強く感じてしまう。

自分が触れた事もない場所に他人の指が這い、そんな場所が気持ちいいことが信じられない。


ハァハァという荒い息遣いは不二山から発せられる。
アンアンと言う甘い喘ぎは美奈子の口から漏れている。

グチュグチュという音は秘部から…。


「ひゃぁっ! あっ、ダメダメ……!!」

美奈子は聴覚まで犯されながら、初めての絶頂を迎えたのだ。


不二山は指の締め付けに美奈子がイった事を悟ると指を引き抜く。

初めてのイクという感覚に疲れ果てた美奈子はグッタリしている。

指に付いた蜜を舐めて美奈子の味を確かめると、止まらなくなった。
指の蜜がなくなると不二山は秘部に吸い付いて舌で蜜を搦め捕る。
感覚が増した美奈子の嬌声が強くなり、引っ切り無しに溢れる蜜は不二山の口元を汚していった。


秘部への愛撫を続けていた不二山だが、痛いほど張り詰めた自身に我慢できなくなり顔を離した。
膨張した自身を秘部に宛がえば美奈子が強張る。


「悪ぃ…」

そう一言伝えると不二山は美奈子の秘部に自身を一気に突き立てた。
途端、引き裂かれるような痛みに美奈子の顔が苦痛に歪む。

先程、指で慣らしたがギチギチという音が聞こえそうな程に美奈子の中は狭い。

それでも不二山が緩く動き出せば美奈子は苦痛以外の声を上げはじめる。


(痛いけど気持ちいい…)


グチャクチャと音を立てながら、不二山が美奈子のいい場所を探し当てようと動けば、奥を突かれる度に強烈な快感が美奈子を支配していく。

「あっ…んぅ、あぁ! ひゃぁ!!」

美奈子の嬌声に苦痛の色が消えた頃には不二山の腰も激しく動いており、蜜が二人の結合部で泡立っていた。

一際強く最奥を突けば美奈子が絶頂を迎え、搾り取るように締め付けれられた不二山も堪らず白濁を吐き出した。大量に吐き出された白濁が二人の結合部を濡らす。しかし、自身は衰えを知らず美奈子の中で主張し続けている。
不二山が美奈子の腰を掴み、再び腰を動かそうとしたら…美奈子から制止の声が上がった。

「ま、待って!!」
「待てねぇって」
「ん…違うの、私が上になる、から…」
「え、マジで?」

言葉とは裏腹に不二山は自身を挿れたまま、器用に体勢を変える。
先程まで仰向けに膝を立てる美奈子の上に不二山が覆いかぶさっていたが、今は仰向けに寝る不二山の上に美奈子が跨がっている…いわゆる騎乗位。


「こういうのは普通、男が上になるもんだろ?」
「こういうのも、あるの…っ!」
「ふーん、わかった。俺もおまえの熱意に応える。だから、動け。我慢出来ねぇ…」
「うん…」

ゆっくりとギリギリまで引き抜き、根本まで埋める…それを繰り返していたら不二山が口を開いた。


「なぁ、もっと速く動かせねぇの?」
「え…ダメ? 気持ち良くない?」
「いや…確かに気持ちはいいけど、これじゃあイケねぇよ」

不安そうに見つめる美奈子に不二山は「とりあえず、俺も動く」と伝えると下から突き上げ始めた。


「きゃっ! あっ、あぁ…あぅ!! やだ…奥まできちゃう…!!」
「…はぁ…ぁ、気持ちいいだろ?」


グチャ、ズプっという水音と肌がぶつかる音が室内に繰り返し響き、それが二人の興奮を煽る。
先程まで不二山の腹に手をついて上半身を起こしていた美奈子も激しい突き上げに堪らず、胸に頬を寄せる形で這いつくばる。

激しく喘ぐ美奈子に気を良くした不二山は、俯せる美奈子の尻を両手で掴んだ。
自分の股間にピタリと密着させれば、より強く美奈子の最奥を抉り続ける。

そして美奈子が達して中が絞られた瞬間、不二山も大量の白濁を再び中に吐き出していた。



二人でグッタリしたまま抱き合う。
互いの精液でグッショリ濡れた陰毛が気持ち悪い…。


「おまえの事…好きだから…」
「………」
「勢いでヤっちまったのは事実だけど…俺はおまえが好きだ」「大丈夫…私も好きだから……」
「そっか…ところで、おまえ…」
「なぁに?」

「もっと声抑えろ。絶対、新名に聞こえてたぞ、あれ」


「!!??」



「じゃあ、俺は部屋に戻るな? 俺が言うのもなんだけど、しっかり寝とけ。おやすみ」
「うん…おやすみ……」


情事後…後処理を済ませて、しばらく抱き合ったりしていたが唐突に不二山が切り出した。

当たり前だ。
明日、起きた新名が不二山の不在に気付いて捜したら…二人が裸で抱き合って寝てました…では、洒落にならない。

不二山を見送った後、寂しい様なホッとした様な不思議な感覚のまま美奈子は眠りに就いた。

あんな事をしていたのだ、全身が堪らなく怠い。



※※※※※※※



「おっはようございまーす!!」
「…!! あっ、新名くん…おはよう……」
「今日で合宿も終わりか〜。嬉しい様な淋しい様な複雑な感じ? 美奈子さんともっと一緒に居たかったなぁ〜…イテっ!!」

「ふざけてねぇで、準備しろ」
「…押忍」


(よかった、新名くん…気付いてないみたい…)


*
*
*



「嵐さん…」

「なんだ?」

「学校であんな事しちゃうのは、どうかと思うんですけどぉ?」

「あんな事って?」

「えっ!? いや、だから…その、つまり…夜中に美奈子さんと…」

「おまえが誰にも言わなきゃバレねぇだろ? ……わかってるよな?」

「(うわっ、出た! 悪い笑顔…)うぅ…」

「新名、返事は?」

「…押忍」

「よし!!」

(………ハァ。ヤダヤダ)






END


〜あとがき〜


茶会で盛り上がった『合宿中に寝ぼけた嵐にバンビが襲われるエロ話』…完成!!
茶会主催者の菜花さんに捧げさせていただきました。

「合宿中に寝ぼけた嵐に襲われるバンビ萌えvvv」とか発言したら自分で書く羽目になった思い出付き(苦笑)


寝ぼけ嵐…こんな感じで宜しいですか?

嵐をどこまで寝ぼけさせるか悩みました。やり過ぎたら不自然だし…目覚めたの早過ぎでしたか?

そして…騎乗位…これも悩んだ。どのタイミングで入れればいんだろうって…(笑)

茶会では積極的な魔物バンビの話も出てたのでバンビを積極的にさせて“無理矢理”騎乗位シーンに縺れ込ませちゃいました(苦笑)

積極的なバンビって使いやすい!!


里夏

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