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柔道部

ニーナ一緒ver〜


「じゃあ、まずは年の数だけ豆食うか。美奈子、豆持ってきてくれ」
「はいはい」
「はい、は一度」
「はい!」


練習が終わり、部室にいるのは不二山と美奈子と新名だけ…正式には美奈子は豆を取りにいったので今は部室にいないのだが、これから三人で豆まきをするのだ。

まもなく美奈子が豆が入った袋を持ってきた。


「あっ、美奈子ちゃん帰ってきた! おかえり〜」
「ただいま〜」

「オーッス!!」

「「先生!?」」

美奈子の後に入ってきたのは柔道部顧問の大迫先生だった。

「どうかしたんスか?」
「今から豆まきやるんだろ? だから先生が鬼をやってやろうと思ってな」


どこからともなく、鬼のお面を取り出した大迫先生は既に鬼のポーズを取っていた。



―――――――



「よ〜し!! 思いっきり投げてこい! 遠慮するなァ!!」


「「「押忍!!」」」


部室で全力で豆を投げる生徒たち。
それを受け止める鬼…もとい教師。


「いいぞ!! 全力で来ぉい! これが青春だぁ!!」




―――――――




「…先生。あの、もう豆がなくなっちゃいました」


先程から鬼(大迫)に豆を投げ付けてはいるが、鬼が一向に逃げ出さないため、豆が底をついてしまった。


「すまんすまん!! じゃあ、先生はそろそろ撤退するぞ! ちゃんと片付けもするんだぞ?」


そう言って鬼、もとい大迫先生は逃げて行った。
鬼がいなくなり豆が散乱する部室内…ふと見れば、美奈子は早くも箒とちり取りを手にしていた。さすがは気配りに長けてると評判のマネージャーだ。


「はい、掃除しなきゃね?」
「あぁ、そうだな…ん? 美奈子、俺らが食う豆は?」
「……あっ! ゴメン。豆まきに全部使っちゃったみたい…」


年の数だけ食べる前に急遽始まった鬼退治に白熱したために食べる用の豆を残しておくのを忘れてしまった。


「なんか、腹減った…」
「俺も…お腹とか鳴ったら、マジでカッコ悪ぃし…」
「部活終わったら、何か食べてこうよ?」


そんな話し合いをしていたら、いきなり勢い良く開く扉…


「ちゃんと掃除してるかぁ? 元気に鬼退治してくれたお前たちに、先生から特製の恵方巻を差し入れだ!!」

「「「いただきます!!」」」


「先生、なんの具材っすかこの焦げ茶色の?」




不揃いな巻き寿司の中から覗く、一見謎の焦げ茶色の物体は出汁巻卵でした。



END

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