千歳飴ゲーム 「ハイ、美奈子ちゃんもお食べ♪」 口に千歳飴を加えながら琉夏くんが顔を私に寄せてきた。 「……えぇっと、どうやって?」 そう質問したけど彼が何を求めてるのか…私に何をさせたいのか……実はわかる。 「俺がこっちから舐めるから、お前は反対側から舐めればいいんだよ? ハイ」 ほらね、やっぱり『ポッキーゲーム』 琉夏くんは千歳飴でポッキーゲームのような事をしたいんだ。 たしかにポッキーの日は会えなかった。 もし会っていたら、ポッキーゲームをしたかったのだと思う。 だからって…今、千歳飴でやることなのかな…。 私たち7歳でも5歳でも3歳でもないよ? 「一本ずつ普通に食べない? もう一本あるんだし…」 「美奈子知らないの? 千歳飴は本来こうやって恋人たちが愛を深めるためのものなんだよ?」 「違います!!」 強く言えば、琉夏くんはまた得意の“捨てられた仔犬みたいな顔”をし始めた。 もう、絆されない。 何度も、その手に引っ掛かっては大変な目にあったんだもん。 「……美奈子、どうしてもダメ?」 「…ダメ」 あぁ、そんな目で私を見ないで〜!! 「なんで?」 「恥ずかしいから」 「じゃあ、目瞑ってていいよ?」 「そういう問題じゃなくて…千歳飴なんて口に銜えてたら……すごく間抜けな顔になるもん…」 「美奈子はどんな顔も可愛いよ。だから、俺だけの可愛い美奈子を見せて?」 「笑わない? 絶対に?」 「絶対に笑わない」 「わかった…」 アレ? なんで私…結局、琉夏くんと向かい合って千歳飴食べてるの?? ――――――― 「まひゃか、さいほまれためゆふもい?(まさか、最後まで食べるつもり?)」 「もひろん。れ、さいほはチューね(もちろん。で、最後はチューね)」 ――――――― 「あぅ、顎が痛い…」 「俺も♪ でも幸せだから平気」 「顎が外れたら琉夏くんのせいだよ?」 「その時は俺が責任持って美奈子をお嫁さんにしてあげるv」 「そのセリフ…使い所が違うから…」 「違わないって。夜は俺の太いモノを銜えさせてる訳だし……」 「いっ…言わなくていいから!!」 はぁ〜。やっぱり、また大変な目にあった…。 END 〜あとがき〜 スーパーに行ったら至る所で七五三って文字を見たから突発で書いてしまいました。 里夏はいい年して千歳飴が大好きです♪ 長いのしか千歳飴だって認めないよ!! でも、あれ一度食べはじめると最後まで食べないと衛生的によろしくないから…拘束されるのが問題点だと思う。 今年も買ったけどまだ食べれてないよ…早くしないと袋の中でベタベタになる!! 里夏
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