微妙な関係
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「誰も来ないのか?」
「暫くは平気だ。うるさいのはちょうど出払っている」
「それは結構……」
曹操は密やかに笑い、ゆっくりと唇を近づける。誘われるように孫堅は曹操に口付けた。
静かな、しかし淫靡な水音が響く。
「は…ん……ふっ」
唇を離すと、艶やかに笑う曹操。心なしか、頬が薄紅色に染まっているように見えた。
「ふっ、やはり感じやすいな……」
「……五月蝿い」
曹操はまた拗ねたように言うと、いきなり孫堅の腰帯を奪い、服を暴く。孫堅の逞しい身体を満足げに眺め、自らも見せ付けるように腰帯を解き、服を脱いだ。
「なっ…おい、」
「どうした?鼻の下が伸びておるぞ?」
曹操の小柄ながら引き締まった体に視線が吸い寄せられる。黙って、曹操を寝台に縫いとめた。抵抗はない。
再び口付ける。先ほどよりも、深く長く。鼻にかかった声が漏れた。苦しくなったのか、曹操は力なく孫堅の胸をたたく。
「がっつきすぎだ……」
「よく言う……欲しくてたまらないだろうに……」
孫堅の唇が首筋に下がる。そこで曹操に刻まれた刻印を見つけてしまった。
「これは……」
「自惚れるな。儂は、貴様だけに抱かれているわけではない」
挑発的な目線で、口角を上げて言う曹操に、胸が高鳴る。その刻印のすぐ横に、跡を付けてやる。
抗議の声が聞こえた気がしたが、無視してゆっくりと唇をさらに下に動かす。そして熟れた果実を見つけると、一つを唇に含み、もう一つを手で摘んだ。
「は…ア…ッ」
快楽から身をよじり、逃れようとする曹操に薄く笑う孫堅。
「お気に召したかな……?」
さらに攻め立てると、限界だとでも言うように首を振る。
半身は既にいきり立っており、くちゅくちゅと厭らしい音を立てて泪を流していた。
「さて……」
孫堅は余裕の笑みを浮かべ、次にどうしてやろうかと思案した。その間、曹操は普段の鋭い目を蕩けさせ、肩で息をしていた。
普段の苛烈で非情な面を知っている分、余計に欲情する。なにやら思いついたのか、孫堅は卑猥な笑みを浮かべた。
「指を舐めてもらおうか」
「誰がするか…!」
「俺はかまわんが、後々辛いのはお前ではないのか?曹操」
悔しそうな目すら、欲情の火種にしかならない。孫堅が差し出した指を、曹操はおとなしく舐め始めた。
思った以上に淫らな舌遣いで、丹念に孫堅の指を濡らしていく。
「ほう…随分従順じゃないか」
指を引き抜き揶揄してやると、曹操は噛み付いた。
「はぁッ……誰の所為だと…ッ……!?」
反駁しようとした曹操の秘所に、指を突き立ててやる。
ゆっくりと捩じ込み、またゆっくりと引き抜く。それを幾度か繰り返すうちに動きは随分と滑らかになり、苦痛の表情から恍惚が見え隠れするようになっていた。
そろそろ頃合かと、孫堅は指を増やす。内壁はひくひくと嬉しそうに蠢き、指を咥え込んだ。
「確か…ここが弱いんだったな」
にやりと笑い、孫堅は執拗に内壁のしこりを指でつつく。
「あッ…孫、堅…やめ…ッ!」
「そうだな。確かにここで達かせては面白くない」
ずるりと指を引き抜いた。その感覚にすら声を上げる、淫らな身体。一体誰が抱いているのだろうか。若干興味がわいた。
「あ……」
秘所が疼く。身体が熱くてたまらない。が、孫堅は笑うだけで、曹操にそれ以上をしようとはしなかった。



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