フロース・ラクティス


腹が減ったのでパニールになんか作ってもらおう、そう思い食堂に来た。
そこまでは良かったのだが…

「…もしかして、今いるのあんただけか?」

「ユーリですか。今のところは私しかいませんよ」

そこにいたのはパフェを食べるジェイドだけだった。
しかも珍しく髪を結んでいる。

「パニールどこ行ったか知らねぇか?」

「先程カノンノと買い物へ行かれました。しばらくは帰らないと思いますよ」

「え、マジかよ」

「ええ。ところでそこに立ってるのも何ですから座りませんか?」

「ああ。サンキュ」

ジェイドの隣の椅子を引き、そこに腰掛ける。
普段は見えない白いうなじが見え、中々いい光景だ。

「じゃあ、それどうしたんだ?」

パフェを指差すと、ジェイドはあっさりと答えた。

「作りました」

「…あんたほんと何でも出来るんだな」

意外にも甘党だという事は今までの付き合いで知っていたが、自分で作る程とは知らなかった。
ああ、そういやコイツの見た目も甘そうだよな。
たとえるならイチゴのショートケーキみたいで。

「それほどでもありませんよ」

「いや、たいしたもんだと思うぜ」

「…よろしければ一口食べますか?」

目の前にスッと、生クリームとフルーツの乗ったスプーンを差し出される。

「いいのか?」

「構いませんよ」

いつもよりも少しだけ警戒心の薄いその笑顔に少し悪戯心が湧く。

「…じゃあ貰っとく」

ぐいっと多少強引にこちらへ差し出された腕と細い腰を引き寄せ、驚いたようなその顔に口づけた。

「んっ…」

背後から、カチャリとスプーンが床に落ちる音が聞こえたが今は無視しておこう。
口づけた場所からは甘いクリームの風味が広がる。

「…甘いな」

「っ〜〜、何をするんですか!」

口を離すと焦りと驚きが混ざったなセリフを言われ、押し返されてしまった。

「いや、うまそうだと思ってな」

「は!?」

「いや…目とか赤くてイチゴみたいだし、色も白いし。ああそういや髪もハチミツっぽいよな」

そう言った途端にジェイドの表情から驚きが消え、変わりに呆れたような表情に変わる。

「…結局何が言いたいんですか」

「ケーキみたいだ。……今も甘かったしな。ごちそーさん」

そう答えるとあからさまに溜息をつかれ、顔を伏せられた。

「今度俺にも作ってくれよ」

「…考えておきます」

そう答えた顔は伏せられたままだったが、髪の隙間から除く耳が赤く染まっていたのを俺は見逃さなかった。



青黒美眼様へ相互記念に捧げます!
この度はありがとうございました!
ご希望に添えているのか不安ですが、よろしければ貰ってやって下さい!
返品も可です!
これからもよろしくお願いします!



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -