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「とある絶望のおはなし」
なあ、レッド知ってるか?幸せってどこにもないんだと。ずっと前さあ、俺たち二人して幸せだなって話した事あるよな。でも幸せってないんだ。何だろうな、幸せって。俺、良く理解できてないんだ。こうやってレッドを俺の腕という檻の中に閉じ込めておくのが幸せなのか分からない。ああ、そうじゃない。違うよ。言ってる意味分かんないかなあ?別におまえが嫌いって言ってるわけじゃないんだよ。勘違いすんなよなー。俺はおまえの事好きだぜ。だいすき。あいしてる。今の言葉は嘘なんかじゃないって。本当だよ。俺が言いたいのはさあ、幸せの正体って本当は絶望とかそんなものじゃないのかなって事なわけだ。だって俺たち結婚とか出来ないんだぞ。そんなの酷すぎねえ?その時点で絶望だと俺は思うんだけど。まあ、でもレッドがいればそれでいいか。

「絶望が愛した幸せのおはなし」
知らなかった。幸せってどこにもないんだ。うん、ずっと前にそういう話、した。俺だって分からないよ。幸せって何なのか。でも俺はグリーンに抱き締められてると落ち着くよ。グリーンは俺の事、きらい?…そっか。別に俺の事は嫌いじゃないんだね。その言葉、本当?俺もね、グリーンの事、だいすきだよ。絶望が幸せの正体だったら少し怖いよ。結婚だけが全てじゃないよ。確かに酷い、けどさ。でも俺たちは今この状況を幸せだと思っているならそれでいいと思うよ。絶望になんて気付かない方がいい。うん。俺もグリーンがいればそれでいい。だからグリーン。ずっと俺から離れないで。


茶髪の絶望は黒髪の幸せに甘い口付けをおとした。

(しあわせにベーゼ


▼ベーゼはフランス語で接吻。ただいまアンリンクフリー


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