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グリーン。俺さ、一緒にいられるだけで幸せだよ。だからグリーンが仕事してて、あまり俺に構ってくれなくても一緒の部屋にいて穏やかに過ごしてるこの時間を幸せだと思う。俺がピカを撫でて、たまにグリーンが小さな欠伸をして、気持ち良さそうに俺の手にすり寄ってくるピカがいて、休む暇もなくまた仕事を始めるグリーンがいて、そういうのって幸せって言うと思うんだ。幸せって本当に些細な事なんだよな。

「何が可笑しい」

グリーンが椅子ごと振り向いて訝しげな顔をしていた。仕事、終わったんだね。お疲れ様。

「…え?あ、俺笑ってた?」
「笑ってたと言うより、にやけてた」
「うーん。俺さ、幸せだと思って」

は?、とグリーンは不思議そうな声色で言った。ピカも同じく俺の顔を見る。そんなに不思議に思うような事、俺言ったかなあ。

「グリーンがいて、ピカがいて…うん。皆がいるから幸せって思うんだ」
「…分かるような気はするな」
「グリーンさんはそういう事に鈍いですねー」
「何だと?」
「冗談だって。じょーだん」

軽く眉間に皺を寄せたグリーンに苦笑いをして、ピカも何かを感じ取ったのか嬉しそうに鳴く。何て言うんだろう、幸せだな。

幸福論


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