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やる事やった後が嫌いだった。俺が起きるといつもグリーンはいなくて、残っているのは脱ぎ散らかされた俺の服と虚無感。そして全て現実だと思い知らせてくれる腰の痛み。身体だけの関係だとは言っても後片付けぐらいしていってくれてもいいような気がする。一人で片付けるの大変なんだからな。少しは俺の心配もしてよ。いつも一人で呟く。答えなんて返ってこない事は分かってるんだけどやっぱり精神的な意味で弱い俺は呟かなければ気が済まない。そうやって孤独を感じてしまうのには笑える。

グリーンが本当に俺と一緒にいたのか、ってたまに考える。だって俺が目を覚ました時にグリーンがそこにいた事なんて一回もないから。くしゃくしゃになったシーツだけが俺の身体に纏わりついて正直鬱陶しい。このシーツみたいに俺もグリーンに纏わりついているように周りの人には見えているのかな。そう見えるなら嫌、だな。依存している事は認めるけど俺だけじゃない。きっとグリーンだって俺の身体に依存してる。お互い様ってこと。好きって言う事も、キスする事も、抱き締められる事もこれから先ずっと無いのだろうけど、グリーンが出て行ったドアを見る度淡い期待を抱いてしまう。今日の夜もまた来てくれるっていう事実が俺に期待を抱かせる。心の中では絶対違うって分かっていても俺って馬鹿だからさ、グリーンと歪な関係で結ばれてる事にも喜び感じちゃうんだよね。だからさ、グリーン。呼んで。俺の名前を、呼んでください。

(歪な赤い糸を繋いでいて)


▼不器用なグリーンと色々勘違いしてるレッド。


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