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おまえ、さいってー。グリーンがそう言って、俺の頬がひりひりと痛んだ。あ、俺叩かれたのか。驚いて顔をグリーンの方に向けると、ぼろぼろ涙を零して手の甲で拭っている姿が見える。嗚咽が聞こえてきて感覚で俺はやばいと思った。俺、何かした?隣にいるピカチュウにそう聞くとぴーかー、と呆れたようなポーズをとって溜息を吐き、そう鳴いた。やっぱり俺の、せい?泣きやまないグリーンに聞くと馬鹿死ね!、とだけ返ってきて答えなんて分からない。あ、もしかして、

「コトネの、こと?」
「っ、ち、ちげーよばーか!」

図星だ、と思った。グリーンがくる少し前までコトネがいたから原因は彼女しかない。バトルして、いつも通りに俺が勝って、他愛もない話をして、それで…どうしたっけ。グリーンに泣かれ、叩かれるような事をした覚えはない。でも実際グリーンが泣いてるんだから何か理由がある、と思う。

「コトネと、付き合えばいいだろ!」
「…何を勘違いしてるの?」
「だっておまえ、好きって言ったじゃんか!」

半ば叫ぶようにしてグリーンは言った。好きって言った?俺がコトネを?言ってない。俺が好き、という言葉を吐いたのはグリーンの事で、ん?グリーンの事を好きか、とコトネに聞かれたから俺は好きだよって言った。何だこれ、気持ち悪い。この違和感が、気持ち悪い。グリーンに聞こえたのが好きだよ、だけだとしたら、ああそうか。そういう事か。

「俺はグリーンが好きだよって言ったんだ」
「嘘吐け馬鹿やろう!おまえなんて、嫌いだ!」

グリーンに嫌い、と言われたのは何年振りだろう。俺たちが小さい頃に言ってからは聞いてない。何だか昔を思い出して笑ってしまうとグリーンが恥ずかしそうに何が可笑しいんだよ、と言った。ああもう可愛いな。二度とシロガネ山から下りてくんな、と言ったグリーンの背中を見て相当怒っているのが伺える。…グリーンに何をすれば機嫌が良くなるかな。考えても何も浮かんでこなかったからグリーンの後を追って腕を掴み、キスをするとまた涙目になって俺に抱きつき勘違いさせんな馬鹿!好きだ!、と男らしく俺に言って俺も好きだよ、と言い背中を叩いてあやすと腕の力が強まって俺がまた苦笑いする羽目になった。君以外を好きになるなんて、有り得ないんだよ。

(きみだけがすきです)


▼内容がべったべた。もう少し頭を捻ろうか。赤緑…難しいです。


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