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「hzdoz.」、よっこ様へ!


ばちん。鼓膜が割れそうな音が鳴ったと同時に、頬に何とも言えない痛みが襲ってきた。俺自身驚いたから平手打ちをした張本人を見ると、そいつは目尻に涙を溜めながら憎悪が込められているような目で俺を睨みつけていた。嗚呼やっぱり俺、この女苦手だ。花の香水でもつけているのかな。きつい香りが彼女から漂ってきて俺は気付かれないように眉を顰める。グリーンと会う度に仄かに匂ってきていた香りと同じ。こいつ、どのくらいグリーンにべたべたしてるんだろう。グリーンは俺のなのに。

「…君、香水つけすぎなんじゃない」

彼女の目を見据えて俺は敢えて冷たくそう言い放つと、予想外の言葉だったのかとても驚いた顔をしてすぐにアンタ気持ち悪いのよ、と叫んだ。女って何でこうもヒステリックなんだろうね。本当に鼓膜が破れたんじゃないかと思って気持ち悪い、と復唱してみると自分の声が聞こえて安心する。次に聞こえてきたのが女の声で、男なのにグリーンを好きになるとか頭おかしいのよ、とまた叫んでいた。男、なのに?そうだね、俺は男だ。男だけどグリーンが大好きで大好きで、それはグリーンもなんだよ。ねえ、それを言ったらグリーンの事も悪く言ってるようなものなんだよ。そう言ってあげるとグリーンは迷惑してるの、とまた彼女は手を振りかざした。あ、また叩かれる。そう思って目を瞑ると遠くからグリーンの声が聞こえて咄嗟に俺は目を開けた。急いで俺の元に来たグリーンは女の手首を掴んで強く握りしめている。やめてよグリーン。君が穢れちゃうよ。グリーンが何か言って女が離してよ、と泣き叫んでいるのが聞こえる。まだ叫べる体力あるんだ。私はこいつを許せないの、ねえグリーン。貴方も迷惑でしょ?媚を売るような声を出してグリーンに擦り寄りながら女がそう言った。やめろよ、グリーンが穢れるんだよ。俺のグリーンだ。俺のなんだよ。そう思ったと同時に無意識に手が出て、悲痛な声とグリーンの制止の声が聞こえた。

「やめろってレッド!」
「…だって、グリーンが穢れちゃうんだ」
「大丈夫だって。取り敢えず落ち着けよ。な?」

子供をあやすように頭を撫でられた後、額に軽いキス。いいの、彼女が見てる前なのに。言うとグリーンは苦笑いしていいんだよ別に。それにしてもおまえ度胸あるよな、と言った。後で褒めてくれる?耳元でそう囁くと目一杯褒めてやるよ、と嬉しそうに言ったグリーンの声が聞こえた。

「俺の家、戻ってろ。こいつの荷物全部燃やしていいから。あ、大変か」
「…大丈夫。燃やす」

リザードンに手伝って貰えよ、とグリーンが笑った。ちら、と未だにショックを受けている彼女を見やれば怒りなのか悲しみなのか、握られた拳が微かに震えている。ほら、グリーンは俺のものなんだ。君なんかに向くなんて事、ないんだよ。残念だったね。グリーンの家に向かっていると自らボールから出てきたピカチュウが俺の肩にのって叩かれた頬を舐める。大丈夫だよ、と言うと嬉しそうに鳴いて頬擦りをしてきた。少し遠くで何かが叩かれるような音がして、叩かれた本人を想像すると自然と頬が緩む。俺と同じ方の頬かな。目線を前に戻すと、グリーンの家の前に茶色と白の生き物が座っている。それに手を振ると生き物、イーブイが嬉しそうに俺の方に走ってきてピカチュウと頬擦りをした。さて、リザードンにあいつの荷物全部燃やしてもらわないとね。ベッドから何から買い変えないと駄目かもしれない。でもまあグリーンってジムリーダーだしお金持ちだからいいか。鍵は開いていた。扉を開けると後ろからグリーンの本気で叩きやがって、という声が聞こえて俺と同じ頬を押さえてたから同じなんだな、って分かった。俺たち二人して何やってんだろ。ボールから出したリザードンの咆哮が響いた。

大切な君とならば)

Link Thank you!
Dear.よっこ様
From.くろかげ




▼不倫緑赤でど修羅場、になってない(^q^) すいません修羅場の意味分かってない気がします。お持ち帰りの際は↓からどうぞ。よっこ様のみお持ち帰り可。



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