pkmn | ナノ


「世界の終わりってどんな感じだと思う?」

ソファーに深く腰を掛け、足をぶらぶらさせながらレッドは俺に聞いてきた。そんなの、考えた事もない。確かに一度は気になった事はあるが誰にも分からないだろうと自分で納得して答えは出してない。世界の終わり。一体どんな感じなのだろうか。

「さあな」
「うーん。真っ白になっておわり、とか?」
「第一原因は何で世界が終わるんだ」
「でっかい隕石が直撃、みたいな」
「だったら真っ白と認識する前に死んでるだろう」
「あ、そっか」

いつかはこの世界が終わるかもしれない。もしかしたら一時間経ったら無くなっているかもしれないし、考えている今、一秒後、そしてまた一秒後かもしれない。まあ、そう簡単には世界はなくならないような気がする。未だに考えているレッドを見ると世界もまだ平和の類に入るんだな、なんて思ってしまう。ただ俺たちが平和なだけかもしれないが。

「あのさ、グリーン」
「何だ」
「もし明日には世界が無くなるとしたら俺、それでもいいなあ」
「どうしてそう思う」
「だって一人で死ぬんだったら嫌だけど、グリーンと、皆と一緒に死ぬんだったら寂しくないから」

少しだけ悲しそうに笑ったレッドにそうだな、と言って頬に口付けを落とす事しか俺は出来なかった。世界が終わるならせめて、俺たちが思う存分愛し合った後に。

(世界のわりについて)


▼初SP緑赤でした。拍手で初めてって一体どうよ。


- ナノ -