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夜明けは嫌い、とあいつは言った。だから俺も嫌いだと言った。嘘なんかじゃない。本当に俺も嫌いなんだ。あの、太陽が昇ってくる感じがどうしても嫌いで嫌いで仕方がない。また今日も始まるんだなあって考えるとどうしようもない感情が生まれて死にたくなる。毎日それを見る度生きてるって実感するのがとてもじゃないが耐えきれない。あいつも俺と同じ事を思っていればいいのに。俺も、あいつみたいになりたい。もう二度と太陽なんか拝みたくないんだ。

あいつがいた場所には何もなかった。あいつが生きていた跡も、何もない。寧ろはじめからそこに人がいなかったような。やっぱりお前だけずるい。一人で何勝手にこの世界におさらばしてんだ馬鹿やろー。俺もつれてけよ幼馴染だろ。ライバルだろ。お前のいない世界なんか楽しくもなんともねーんだよ。俺、お前の事倒せなくなったじゃねーか。逃げんなよ。…情けないな、俺。レッド。俺さ、今からそっちいくから待ってろよな。そうだな、俺の嫌いな太陽みたいな笑顔を浮かべて受け入れてくれたら許してやるよ。
ま、無表情のお前にはちょっぴりきついかもしれないけど。

(今度う時は君のいる場所で)


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