spring has come -3-

安田くんたちと合流してから、みんなが優しく声をかけてくれたり、ハデス先生に白衣を貸してもらったり…いろいろあった。いろいろ。
鼻息が荒い安田くんにじろじろ見られたのは恥ずかしかったけど、そんな彼も今は落ちついていて、自分にいい案があると言って走り出してしまった。


「うおおおおお!!」
「安田くん待ちなさい!」
「安田…」
「……もう…ダメだ…あいつは……」
「あはは」
「あははって…お前飼い主なんだろ」


………。


「放し飼いですっ」
「名字ちゃん…」
「…私たちは地味に鎮静化につとめましょう」
「そ…そうだね……」


そして数十分後、先生に連れられ戻ってきた安田くんはシクシクと泣いていた。自業自得だと思うけど…うん。つい心を揺すぶられ、よしよしと頭を撫でてあげると、そのままギュッと抱きしめられてしまった。
……すぐ美作くんにはがされていたけど。


それからしばらくの間、安田くんは学校で有名な変態としてその名を轟かせることとなった。
友達に「あんなのと一緒にいて大丈夫なの?」と真顔で心配されてしまったのは此処だけの秘密にしておこう。


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