ボーイボーイガール |
「あ、本好ちょっといい?ごめんね美作、話し中に」 「おういいぜ名字ちゃん!」 休み時間、二人に声を掛ければ美作は笑って親指を立てた。ありがと、と返事して本好を見上げる。 「どうしたの?」 「あのさ、昨日遊んだとき巻いてたマフラ−、本好の家に忘れて帰ってない?」 マフラーがないことに気付いたのは帰宅してからで、めんどくさくて取りに戻ったりメールしたりはしなかった。マフラーを置いたのは多分、目のつく場所だったと思うから本好も気付いたんじゃないかなぁ、って。勘とただの願望。 「あるよ。今日持ってきたから後で渡すね」 「ほんと!?ありがとう!助かったーあのマフラーお気に入りだったからさぁ」 「名前って忘れっぽいよね」 「もーうるさいなー!」 反論できないのが少し悔しくて、軽く背中をぽこぽこ叩くと急に美作が勢いよく立ちあがった。 「ちょっ待て!お前らもしかして…付き合ってんのか?」 「ううん違うけど」 「何言ってんの美作!私と本好は男女の壁を越えた友達だよ!」 にっこり笑ってそう言うと、美作は信じられないとでも言うように顔を顰めた。友達にも同じことを聞かれたけれど、決してそういう関係ではない。そう見えちゃうぐらい仲が良いだけ!仲が良い双子ってこんな感じかなーとたまに思う。 「性別の壁を超えるのは無理じゃない?それとも名前は俺のこと女子みたいに弱いって言ってる?」 「いやいや言ってない言ってない!私が男っぽいからそう言ってんの!」 「名前って自分のことよくわかってないよね。名前のどこが男っぽいの?」 わかってない、って……どうみても女の子らしくは見えないでしょ。 「私服はズボン派だし、少年漫画読むし、ゲームするし、髪長くないし?」 「今時そういう女子は珍しくないし、制服のスカートも似合ってるよ」 「……いやいやお世辞はいいって!」 「お世辞じゃないけど」 「いやいや!」 ありえないって!似合ってるとかありえない!常伏中の制服って可愛いデザインだし、やけにスカート短いし、私には似合うはずがないものなんだ…!ぶんぶんと手を振って否定する。 そう言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱり似合ってるなんてことはないと思うから…うん。 「可愛いのに、名前」 「…本好はカッコいいよ」 「あはは、ありが「のろけは余所でやれ!」 ------------------ リク:本好くんと自覚無しにイチャコラしてる夢 |