姫と王子と魔法使い



*この作品には作者様宅オリジナルキャラが出演されています。
苦手だという方は閲覧をお控え下さいませ。

作者様、読者様、それぞれ不快な思いをされる方がないよう注意を挟ませて頂きました。
ご了承下さい。











「絶対に危険だから一人でであるいちゃいけないよ?」
「うん、わかった」
 私がそういうと、クダリさんはいい子だね、と頭を撫でてくれる。
私の恋人はとてもかっこいい。けど、ほんとに私をみててくれるの?
仕事場に私は行ったことないから、心配になっちゃうよ……。

「決めたの、絶対にクダリさんのお仕事しているところを見てくる!」
 決めたことはすぐ実行だから、クダリさんの仕事場であるライモンのギアステーション? まで行かなくちゃ。
「一人……じゃないよね、エモンガがいるもん」
 私とエモンガなら、いけるもん。

「ノボリ、書類やった?」
 もう昼を過ぎた時間、二人とも休憩の時間があったために話していた。
「すみません、今日は対戦数が多くまだ少し残っております」
 申し訳なさそうなノボリにクダリは慰めた。
「大丈夫そんな時は誰だってある。今日中に終わらせてくれれば平気だから」
 その言葉にノボリは安心したようだった。
「それじゃあ、ぼくパトロールしてくる」
 クダリは休憩室を出て行った。

 小さな手を必死に伸ばし切符を買う私。
ここから三十分だから一人でも大丈夫だもん。
「お嬢ちゃん一人でどこまで行くの?」
 どんな人に声をかけられても無視が一番でしょ。
トレインに乗って発車のベルを待つ。
「はやく会いたいなー、クダリさん」
 この三十分がとてももどかしいの。

「これから来るのはライモン着が二つと環状線が十五分後だよね」
 ゴミや不審物が落ちていないことを確認しながら巡回をしていく。
そんな時でも彼女のことが頭によぎる。
「あの子、大丈夫かな。ちょっと電話してみようかな?」
 職務時間中だけど、心配だから。と言い訳をしながら電話を掛ける。

「もしもし……あれでない?」
 慌てて番号を確認するけど、間違ってはいなかった。
寝てるのかな、とも思ったけどあの子はこの時間には寝ない。
「もしかして……何かあったのかも……」
 クダリは必死にこれからの行動を考えた。
彼女の家に行く? それとも……。
「とりあえず、行くしかないよね。誰かに連絡して半休もらおう」
 クダリは帰る用意を始めた。

「う……あれ、ここどこ?」
 目が覚めたとき、ここは電車の中じゃなかった。
どこか知らない場所だった。
「だれか、いるの……?」
 出てきたのは知らないお兄ちゃんだった。
「初めまして、御嬢さん」
 その顔は笑ってるのに、なんだか怖かった。
「あ、ごめん。驚かしちゃったかな。自分はミナトって呼んでくれればいいよ」
 絶対危険人物だよ、早く逃げないと。あれ……エモンガは?
「君のお友達なら……自分が預かったよ。それじゃあ、ゆっくりしていってね」
 そう言ってお兄さんは消えて行った。
「エモンガを置いていくわけにいかないよね。取り返さなきゃ……」

「どこに行くだろう、あの子だったら……」
 ライブキャスターを確認すると、とてもまれな人物から連絡が来ていた。
いつもだったら無視をするが、今日は珍しく見てみると驚くべきことが書いてあった。
「お前の大切な人を預かった……だって?!」

「今どんな顔してるかな、クダリは」
 あまりに悪役な笑い声をあげ、それにまた笑う青年。
「まったく、子供心をわかってやれっての、まあいい人面するつもりもないけど」

「あの人なんのつもりなんだろう」
 寒くもないし、お菓子もある。何がしたいんだろう?
「何がしたいか? 人をいじって遊びたいかな、御嬢さん」
 さっきの言葉をお兄さんは聞いてたみたいだった。
にやにや笑っていて、やっぱり怖いんだけど。なんだかあったかい感じがした。

「ノボリ、帰る」
 ノボリは何か言ったみたいだけど、何も聞こえないふり。
「ミナト……あの子をどこにやったの?」
 いやだけど、電話を掛ける。僕とは違うあの笑いはいつもに増してむかつく。
「あの子って誰のことかな?」
「ごまかさないで、君の近くにいるんでしょ」
「そうだよ、早く来てあげなよ。まあ、探せるかどうかだよね」
 余裕そうな声にイラつくぼくは今余裕がないんだと思う。

「来るってさ、君の大好きな人。ここがどこがわかればだけど」
 お兄さんはどんな時でも笑っているみたいだった。
「ここの場所伝えたの?」
「いや、ヒントを出しただけ。ここに来れるのかは分からないよ」
 普通じゃつまらないから、らしい。
「クダリさんは絶対来るもん」

「どこにいるんだ……早く会いたいのに……」
 誰も知ってるはずがない場所?
「……空とでも言いたいの、ミナト……」


「あーあ、早く来ないのかな。あいつをいじるネタがまた出来たから楽しいのに。
大丈夫、君はちゃんと家に帰すから。時間が過ぎちゃったらだけど」
 お兄さんは、誰に言うわけでもなく呟いていた。
「ここはどこなの、それに私のポケモン。エモンガ返して!」
 そうやって近づくと、お兄さんは私に返してくれた。
でも……私の視界は暗くなっていた。
「やっぱり、再会はドラマティックが一番」

「ミナト、あの子を返して」
「やっときたね、王子様。さみしくて泣いてたよ、お姫様は」
 そう茶化すミナトは放置して、彼女の元へ。
すやすやと眠っていた彼女。
「どうすればいいんだろうか……」
「そりゃあ、王子様の口づけ、でしょう」
 後ろから聞えてきた言葉に今回ばかりは同意して、ゆっくりと顔を近づけた。

「クダリさん。やっと来てくれたんだ」
 目が覚めると、目の前にクダリさんがいた。
クダリさんは目を白黒させていた。
「どうして、一人で外に出たの?」
「だって……さみしかったんだもん。もしかしたら、職場に素敵なお姉さんとかいるかな、って心配だったんだもん」
 声はだんだん悲しみに浸り、泣き声になってるのが自分でもわかった。
「そんな事気にしてたんだ。ぼくは君が大好きだよ」
 優しく抱き上げてくれたクダリさん。

「あのー、二人の世界を邪魔するようで悪いんだけど、さっさと出て行ってくれない?」
 ミナトは珍しくイラついているようだった。
今日は帰って、今までの分も構ってあげて。それに、ぼくの仕事場のことも話してあげよう。

「まったく、世話が焼ける……こんなお節介は一回だけのサービスだからな。
ま、自分の趣味じゃないけど」


今日は色んなことがあったけど、すごく楽しい一日でした。






旧サイト50000HITのお祝いに「CROSS☆style」様のゆうりさんから頂きました!
私が日記でぽろっと「幼女とクダリさんっていいよね!」とこぼしていたのをキャッチして下さったそうで…!
ちょっぴりおマセな夢主ちゃんとロリコ…げふんげふん、クダリさん、そしてオリジナルキャラのミナトさんがミステリアスで、良い味を醸し出されてます!´`*

ゆうりさん、いつもお世話になっております!
ヒット祝い本当にありがとうございました!!(*´▽`*)


(12.4.5)




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