君と描く夢










初めて出会った日のことを、ボクは昨日のことのように覚えてる。たった4人で、傷だらけのボロボロで、それでもとてもキラキラとした誰よりも綺麗な目でボクを見ていた君たち。食べかすをこぼす船長にダンベルだろうがなんだろうが乱暴に床に置く剣士。船大工もいないのにそこら中壊しては航海士に怒られて、その度に狙撃手の彼が不慣れな手で一生懸命に直してくれた。そんな"海賊"と言うにはどこか幼くて迫力に欠けていたあの頃の君たちは、いつの間にか世界にもその名を轟かす海賊になっていた。





──俺は海賊王になる男だ!!





自分よりもはるかに強い敵と戦って、気まぐれなグランド・ラインのハリケーンや大きな渦潮に飲み込まれそうになって、一体今までにどれくらい死を覚悟したことがあっただろうか。それでも君たちは怯むことなく「大丈夫」と笑うから、不安なんか消し飛んで、何にも負けない、無敵になったように感じるんだ。





「おいルフィ!俺の刀で遊ぶな!!」

「うるせぇクソマリモ!!料理が不味くなるだろうが!」

「お前ら船壊すな!」





気付いたら仲間になっていた女の子に弱いコックさん。今はいないけれど、自分の国を必死に守ろうとしていた心優しい砂漠の国の王女様。とある冬島で出会った臆病なトナカイの医者と、かなりナチュラルにボクに乗り込んでいた頭が良い考古学者。みんな初めから仲がよかった訳じゃない。違う島で生まれ育って、それぞれが自分の夢を叶えるためにボクに乗った。海賊王になりたくて、世界一の剣豪になりたくて、父のように勇敢な海の戦士を目指して、オールブルーを見つけたくて、世界中の海図を描きたくて、大切な国を守りたくて、万能薬を作りたくて、歴史の真実を知りたくて。何もかもが違う、よく言えば個性的な悪く言えばバラバラな彼ら。暴言も暴力も当たり前の喧嘩ばっかりでとても良い関係とは言い切れないけれど、一緒にいる時が一番楽しそうで幸せそうで。





「なぁメリー、俺の仲間は最高だろ?」





いつだって君はその太陽みたいな笑顔で、あのバラバラな仲間達を一つにまとめてしまうんだ。

キラキラしていて本当に綺麗な、きっとどんな財宝よりも価値のある最高の仲間。ボクは君たちを誇りに思う。





「メリー見ろ!島だ!!」





最新機能も何もいらない。名前を呼んでくれるだけでいい。ただそれだけでボクは最高に幸せな気分になれる。君たちの仲間でいられるということが、何よりも嬉しいんだ。





「次はどんな冒険が待ってんだろうな。」





いつか、先の見えないこの冒険に終止符を打つその時、どうかボクがまだ君たちのそばにいますように。


















君と描く夢


(例えこの身が滅びても)

(心はいつでも共にある)








※メリー好きだよメリー

※ってことでピッタリ1ヶ月遅れの誕生日プレゼントっす←








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