傍にいるよ


※名前変換なし




グラグラと揺れる視界の隅で、心配そうな四季の顔が見えた。




侍ガール!




額から流れる汗が嫌に冷たい。体調が良くないせいか妖術が効かなくて飛び出た猫耳が邪魔だった。





「四季、…俺はもう駄目だ。俺、きっともう死んじゃうんだ……。」

「大丈夫よ咲夜くん、軽い熱中症だから。」

「バカ言うな!!熱中症は死亡率高いって花野アナが言ってたぞ!?」

「そんなに叫ぶ人は死にません。」





呆れたように溜め息を吐いた四季は、水を取ってくると言って部屋を出た。

蝉の鳴き声だけが辺りに響く。身に纏っているお気に入りの着物も汗で濡れた体に張り付いてしまい、今はただ不快なものでしかない。



夏は嫌いじゃないんだ。


冷えたスイカやかき氷、デカい花火に海にカブトムシ(又三郎は本当にいい相棒だった)(又三郎=咲夜のカブトムシ。沖田のサド丸によって死亡)も大好きだ。


だけどどうもこの体は地球の気温に慣れないようで、夏は毎年こんな状態だ。(去年は気持ち悪くなって新八の眼鏡に吐いた)


いつも周りに迷惑をかけてしまうのがとても嫌だった。


こんな弱いところを、四季に見せたくなかった。





「咲夜くん、お水持ってきたよ。」





障子が開いて、水を持った四季が中に入ってくる。どうぞ、と受け取ったコップの中の氷がカランと小気味良い音を立てた。





「ごめんな、せっかくの非番なのに…。」

「気にしないで!今日は元々、咲夜くんと遊ぶ約束してたんだもの。」





ニコリと笑いながら、四季は優しく俺の頭を撫でた。ひんやりとした四季の手は気持ち良くて、だんだん瞼が重たくなっていく。





「四、季…。」

「大丈夫だよ。治ったらまた、次の非番に遊ぼうね。」





薄れていく意識の中で、優しい声は俺の名を呼んだ。
















傍にいるよ


(遊びに来といて熱中症たァ馬鹿だねィ。)

(そう言う隊長も結構咲夜くんのこと心配してたじゃないですか。)

(馬鹿がいねーと退屈なもんでねィ。)






※こんなんで良かったでしょうか!?

※とりあえず、なんだかんだで沖田さんと咲夜くん仲良しです。



※リクエストありがとうございました!




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