もーにんぐ!わーにんぐ!
「あぁぁあああ!!!!」
サッカー日誌
ジリリリとけたたましく鳴り響く音にゆっくりと顔を上げ、その原因である目覚まし時計を見る。瞬間、私の頭は完全に覚醒した。遅刻だ。
「ヤバい、死んだ。」
携帯には数件のメールと電話が入っており、その全てに「豪炎寺修也」の名前が表示されている。今日は彼と出掛ける約束をしていたのだ。遅刻するなよとあれほど言われていたのにも関わらず、時計の針は約束の時間をとうに過ぎていた。
──遅刻したら?
──ファイアトルネードの刑じゃね?
昨晩電話していた半田との会話が頭を過ぎる。ファイアトルネードの刑、これはマズい。非常にマズい。とにかく今すぐ謝らなければならない。速攻で電話帳を表示し、鬼の形相でサッカーボールを構えているであろう待ち合わせの相手に電話かけた。
「あ、も…もしもし……?」
「みょうじか!?」
コールも鳴らないくらいすぐに電話に出た相手は、叫ぶようにそう言った。
「あの、ごめん…寝坊してしまって、」
「………寝坊?」
こ れ は 怒 ら れ る 。
嫌な汗が背中を伝う。顔が引き吊って何も喋れない。電話越しの沈黙は痛かった。
「あああの、ホントごめんなさ…、」
「……かった、」
「え?」
「事故とかじゃなくて、良かった。」
優しい声に、柄にもなくときめいて、全身が熱くなる。
なんだこれ、恥ずかしい。
さっきとは違う意味で痛い沈黙は、電話の向こうの男によって破られた。
「迎えに行く。」
もーにんぐ!わーにんぐ!
(うわああああ!!どうしようやばい時間ないって!)
((ピンポーン))
(嘘だろおおおおお!!!!)
※ふゆ様、大変遅くなってしまい申し訳ありません。
※豪炎寺甘…に、なっているでしょうか?すみません…。
※リクエストありがとうございました!