>>お話しましょ( 2/3 )
「………。」
パワージョーは泣きたかった。
今日は勇太とデッカードが冴島に呼び出され、ビルドチーム(何故かパワージョー以外)は来月完成予定のテーマパークへ手伝いに。 その他メンバーもそれぞれの仕事があり、ロボット刑事課にいるのはパワージョーと春哉の2人のみとなった。
けれど問題はそこではない。
なんといってもジッとしているのが大の苦手なパワージョーである。部屋にいるのが一人だろうが二人だろうが騒いで仕事はそっちのけ。終いには資料やら報告書やらを散らかして、ブレイブポリス達(主にマクレーン)を困らせている。
そんな彼は今、全く口を開くことなく自らのデスクに向かっていた。普段のパワージョーからは想像出来ない光景だ。
(だあぁぁぁ!!畜生、なんで俺だけ留守番なんだよ!気まずいじゃねェかよ!!)
先程から続いているこの重たい沈黙の原因は、パワージョーの隣で黙々と報告書を書いている少女にあった。
(え?なんでコイツ喋んねーの?なんでコイツこんな静かなの?)
4時間程前に一言、「仕事、始めましょうか」と言ったきり、少女─春哉は一言も喋らない。パワージョーは、ここまで堪えた自身を褒めたいと思った。
「……なぁ、」
ピタリ。パソコンのキーボード上を動いていた手が止まった。ゆっくりと向けられた視線は、真っ直ぐにパワージョーを見ている。しかし、彼女にそれ以上の動きは見られない。どうやらパワージョーの言葉を待っているようだ。
パワージョーはロボットみたいな奴だと思った。与えられた仕事をし、次の指示がなければ動かない。ただ仕事をするということをプログラムされたような、そんな風に見えた。
「お前…、退屈じゃねェの?」
春哉がロボット刑事課に配属されて数週間。周りがどんなに楽しい話をしても、どんなに面白い遊びをしても、彼女が笑うことはなかった。
無愛想と言うより感情がないと言った方が正しいだろうか。けれど、テキパキと仕事をこなす彼女には誰も文句は言わない(特にマクレーン)。
仕事もでき、戦闘の際の指示も的確な彼女は、既にブレイブポリス達の中でも信頼されていた。
「別に、退屈ではありませんね。」
表情を変えることなく言った彼女に、パワージョーは溜め息を吐いた。
「…腹とか減らねーの?」
「えぇ、まあ。」
「眠くならない?」
「大丈夫です。」
余計な言葉は一切なく、ただ聞かれたことに答える彼女にパワージョーは楽しくなった。
「じゃあさ、ちょっと休憩がてら話そうぜ。」
嬉しそうにそう言って立ち上がったパワージョーは、次の質問を考えながら口角を上げるのだった。
Let's talking!
君のことを、もっと知りたくなった。
※私のパワージョーのイメージってこんな感じ
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