07.






「うおぉぉぉい!!朝倉!!」



どうしてこうなった。




サッカー日誌






あの日から、円堂守による、勧誘という名のストーカーが始まった。





「っげ!出た!!」




ある時は昇降口。




「サッカァァァァやろぉぉぉぜぇぇぇぇ!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




またある時は図書室。

そして………。




「サッカー部に入れぇぇぇぇ!!!」

「ここは更衣室だボケェェェェェェェ!!!!」



円堂のおかげ(?)で、私の名前と顔は全校生徒に知れ渡り、たくさんの友達が出来た。
けれど、ここまでしつこいと我慢の限界。ついにボルテージがMAXに達した。




「…っいい加減に……しろォ!!」

「うおっ!?」

「毎日毎日ふざけんなっ!」




どんなに逃げても、クラスは同じで席も隣なために意味がない。正直疲れた。言っちゃ悪いがとてもとっても迷惑だ。




「ふざけてねぇよ!俺はお前とサッカーしたいんだ!!」

「っ……サッカーは…………もう…やめたんだ。」

「なんでだよ!?あんなに上手いのに!!なぁサッカーやろう!」




ニカッと笑う円堂の顔に、リョウが重なった。

真っ直ぐでキラキラしてて、一緒にいるだけで温かくなる太陽みたいな存在。

切望してやまない、私の中で一番大きな存在。

取り戻したいのに、今の私にはソレに触れることがとても怖かった。




「もしかして、病気のこと気にしてんのか?」




心配そうな彼を見るだけでズキズキと胸が痛んだ。




「大丈夫だって!治ってからでも、」

「私の何を知ってるってんだよ!!」

「朝倉、」




何も知らないクセに、何も出来ないクセに。




「勝手なことばっかり言うなよ!」




目の前で大切な人を失う辛さもその恐ろしさも、他の人には分からないんだ。分かるハズがない。

大好きだった人は、もうこの目に映すこともこの手で触れることも出来ない。






「もう、嫌なんだよ…。」






もしあの日君を助けることが出来ていたのなら、目の前の太陽が陰ることもなかったのかもしれない。













笑う貴方が好きでした


(気付いた時、)

(既に君は眠っていた。)







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