04.






ついにやってきた練習試合当日。私はグランドに集まっている生徒を、図書室から眺めていた。



サッカー日誌




正直、この試合に興味がない。

廃部になろうがなんだろうが、私には関係ない。どうでもいい。

隣の席の彼、円堂守には「見に来てくれ」と言われたような気もするが、生憎私は宿題を片付けたいんだ。教室は観戦するのにはうってつけの場所らしく、人がたくさんいる。仕方なくやってきた図書室は、誰も使っていないようで、静かだった。



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「……よし。」




英作文の宿題と格闘すること30分。どうやら雷門の英語教師は相当ひねくれているらしい。やっと終わったそれに満足した私はグッと身体を伸ばした。

時間も時間だったので、帰ろうと片付けを始めた時。



ドカッ



何やら鈍い音が聞こえ、グランドに視線をやるとそこには、





「な……に、これ、」





そこには、ボロボロになった雷門中サッカー部の面々と、それを見て嘲笑う帝国学園サッカー部がいた。





「無様だな。」





ニヤリと笑ってそう言った帝国のキャプテンマークをつけた少年に、ぞわりと悪寒がした。

これは、サッカーなのだろうか。

身体にダメージを与え、大量の点数差をつけられたこれが、サッカーなのか。

目の前の事態に、拳を握り息を呑む。

終わりだ。選手もみんな限界だ。今試合を辞めればこれ以上怪我は増えない。雷門中サッカー部は廃部になり、隣のあの笑顔を見ることもきっとなくなる。けど、もう、





「まだまだ、…終わってねェぞっ……。」





聞き覚えのあるその声にハッと振り向けば、ボロボロになりながら尚も戦おうとする円堂の姿があった。


身体中痛いだろう。辛いだろう。

なのに彼は立ち上がる。ボロボロで、立つのがやっとなはずなのに、諦めない。





「俺は、絶対、諦めない!」





ああ、馬鹿は私だ。

放っておけばいいのに。私には関係ないことなのに。気付いたら私は、片付けも半端なままに走り出していた。
















負けないで


(脳裏に浮かんだ君の笑顔を、)

(失いたくないって、そう思ったんだ。)









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