02.





どうして神様はこんなに酷いことをするのか。

目の前の、稲妻マークが特徴的な門を見て、私は拳を握った。



サッカー日誌





父さんの転勤で戻ってきた稲妻町は、相変わらず稲妻マークとサッカーでいっぱいだった。





「じゃあ、呼んだら入ってくれ。」





ニコリと笑った担任の先生はそう言って教室に入って行く。
誰もいない廊下は空気がひんやりとしていて心地良い。私は軽く深呼吸をした。





「入れ。」





少し低めの先生の声が聞こえる。
ゆっくりとドアを開くと、たくさんの視線が刺さった。





「今日からこのクラスの一員になる、朝倉泉さんだ。」

「よろしくお願いします。」





ペコリと頭を下げると、拍手がなり響く。
席を指示され移動すると、チラチラと視線がついてくる。

足早に席に着き、顔を隠すように鞄を机に置くと、それと同時にさっきまでの視線が離れていくのが分かった。

ふぅ。息を吐いて前を見る。先生はHRの続きをしていた。





「なぁ、」





不意に隣から聞こえた声に振り向けば、オレンジのバンダナをつけた男子がこちらを見ていた。





「俺、円堂守。隣よろしくな朝倉!」





ニカッと笑った彼、円堂はギュッと私の手を握って上下に振った。







(俺、オオミリョウ。よろしくな泉!)








「…朝倉?」





脳裏をよぎった記憶に、思わず顔をしかめてしまった私を心配そうに見る円堂。
どことなく懐かしさを感じるその表情に一瞬怯みながらも、笑って大丈夫だと返した。

















運命でしょうか


(彼と同じ笑顔が、)

(今の私には眩しかった。)






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