2011年ありがとうございましたぁぁぁぁぁ!! | ナノ












「雑煮出来たぞー。」





そう言って台所の方からお盆を持ってきたのはフリフリピンクの可愛らしいエプロンをつけたシカクさんで、置かれたお椀に待ってましたと言わんばかりの勢いで飛びついたのは隣の木ノ葉丸だった。ガツガツとあっという間に一杯目を平らげ、おかわりを貰うために立ち上がった木ノ葉丸の頭を思い切りひっぱたく。「痛いぞコレ!」「遠慮を知れこの阿呆が。人の家だぞ。」目の前のシカマルは呆れたように笑ってゆっくりと自分の分の雑煮を食べている。





「いやぁ、そんなに喜んでもらえると嬉しくなるな。」

「作ったのはヨシノさんだけどね。」





奥からひょっこりと顔を出したヨシノさんに美味しいですと言うと嬉しそうに笑った。「なまえちゃん、木ノ葉丸くん、遠慮しなくていいのよ。」あーあ、木ノ葉丸が飛び出してった。





「ごめんシカマル、大晦日に押し掛けたりして。」

「あぁ、気にすんなよ。どーせ親父に誘われたんだろ?」

「あー……うん。」





大晦日。本来ならば猿飛一族で(と言っても私とジジイ、木ノ葉丸とアスマさんの4人)毎年恒例の雑煮争奪戦体術バトルをする予定だったのだけれど、ジジイは溜まってしまった仕事の片付け(ザマーみろクソジジイ)、アスマさんは急な任務で帰れなくなってしまい、子供2人で過ごすことになりそうだったところを話を聞いてやってきたシカクさんに拉致されたのだ(迷惑がかかると拒否したところ、手刀で気を失わされ奈良家に運ばれた)。





「…まぁ、偶には普通に雑煮食えよ。」





本当に嬉しそうに雑煮を頬張る木ノ葉丸を見て切実にそう思った(木ノ葉丸はいつも争奪戦で一番に負けるため、雑煮が食べられないのだ)。





「シカマル、ありがとう。」





今日も昨日も一昨日も。なんだかんだで力になってくれる彼は本当に頼りになる。頭は良いし、面倒くさがりだけど大人で優しい。どこぞのクソジジイとは大違いだ。





「来年もまたよろしく。」





きっとまた私達は馬鹿をやってみんなで笑いあう、そんな一年をすごしていくのだろう。













年明け二時間前


(よーし、将棋やるぞ。)

(……親父、大晦日ぐらい将棋忘れろよ。)

(うめぇぞコレ!!)

(どんだけ食ってんだ、遠慮しろ馬鹿!)







※さーむーいー。

※ねーむーいー。






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テーマ「人外ファンタジー」
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