侍ガール! | ナノ


▼bS





「よォ。オメェも昼飯か?」

「あ………。」





侍ガール!






昼休み。
お腹が減って、仕事も一段落したところで、私は昼食をとろうと食堂へ。

けれどそれは間違いだったようで。



「ひ、土方さん……。」

「隣座れや。総悟も山崎も一緒じゃねェんだろ?」





目の前には鬼の副長こと土方十四郎と、世にもおぞましい、中年メタボな方々の敵であり、視界に少しでも入ろうものならば、吐き気にみまわれる凶器、「土方スペシャル」が。

あぁ…………。なんで私ここにきちゃったんだろう。マヨの匂いが充満してるよ。

さっき隊長に誘われた時に一緒に蕎麦屋に行くんだったわ。

アイツ帰って来ねェよ。蕎麦屋行ったまま絶対帰って来ねェよ。また仕事サボるよ。





「何だ?座んねェのか?」

「えぇ。ソレを見ただけで吐き気がするので。後でいいです。」

「よーし。もう少しオブラートに物事を包んで言おうな。ちょっと傷つくから。」





そう言いながら、ズゾゾゾッと吸い込むような勢いで凶器を食べる土方さん。
アンタは妖怪か怪物か。はたまたエイリアンだろうか。
そういえば、この人は昔からこうだった。




初めてこの人に会ったのは、父上に初めて屯所につれて来られた日だ。




(なんだお前。雅章さんとこのガキか。)




顔は怖いし、瞳孔開いてるし、マヨラーだし、瞳孔開いてるし。第一印象はあまり良いものではなかった。だけどホントはすごく優しくて、いつも私のことちゃんと見ていてくれる。





──トシおにーちゃん。




「………お前総悟に似てきたな。」

「おかしいのは味覚と胃だけにしてください。」

「え?何俺の味覚と胃がおかしいみたいな言い方?」

「おかしいでしょう?そんな汚物食べて。」

「せめて犬のエサって言ってくんない!?」





何を言うか。犬が可哀想だ。
チッと舌打ちをして、ふてくされたような顔になった土方さん。
ありゃ?ちょっと言い過ぎたかな。
気付かれないようにクスリと小さく笑って、私だけの、特別なご機嫌とりをする。













ごめんなさい、お兄ちゃん?


(そう言えば、怒ってねェよって言って、)

(最後は必ず笑って頭を撫でてくれるの。)








※主人公の容姿は沖田さんに少し……否、かなり似ているっていう設定
※つまーりミツバさんとも似ていたりそうじゃなかったり←



そのうち夢主の絵、載せようかなぁ…。