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「ミツバさん、ですか?」
侍ガール!
「いやぁ…俺達も会うのは久しぶりでなぁ。」
近藤さんは嬉しそうにそう言った。
明日、沖田隊長の姉上様であられるミツバさんがいらっしゃるらしい。
今朝の隊長が妙に上機嫌で優しかったのはそのせいだろう。
私は実際にお会いしたことはないけれど、よく話に聞いていたからある程度のことは知っている(主に話してくれるのは近藤さんである)。
おしとやかで、辛い物が好きで、優しくて、辛い物が好きな人だ。毎月送って下さる激辛煎餅はすごく美味しい(誰も食べないから私が全部食べてる)。
そんな姉上様を沖田隊長はとても慕っている。いつも煎餅と一緒に送られてくる手紙を読んでいる彼は、とても幸せそうに微笑んでいるのだ。
「本当にお綺麗な方だよ、ミツバ殿は。…そういえば容姿がなんとなく四季ちゃんと似てるなぁ…。」
「…そう、ですか。」
容姿が似ている。ミツバさんの話をすると、必ずみんながそう言う。正直、私としては複雑だ。
別にミツバさんが嫌いとかそんな訳じゃないけれど(だいたいまだ会ったこともない人を嫌いになれないだろう)、それでも似ていると言われることに少なからず抵抗がある。
「きっと2人はいい友達になるよ。」
ニカッと笑う近藤さんを横目に、私は視線を落として小さく溜め息を吐いた。
ホントは会いたくない
(似たくなんか、なかった。)
※本編で沖田姉弟(ミツバさん)に似てる発言したの初めてじゃね?
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