▼18
街を見回っていると、見知った顔が向こうからやってきた。
侍ガール!
「よぉ、四季。」
「こんにちは銀さん。新八くんも神楽ちゃんも咲夜くんもこんにちは。」
すぐに私に気付いたらしい銀さんが声をかけてくれた。相変わらず死んだ魚みたいな目をしてるけど、私の頭を撫でてくれる手はとても優しくて、なんだかんだで土方さんと似てるんだと思った(彼からするのはマヨネーズの匂いでも煙草の匂いでもなく、何やら甘い匂いだが)。
「オメー、怪我はもういいのか?」
「はい、もう平気です。お世話になりました。」
ペコリと頭を下げてお礼を言うと、銀さんはそりゃ良かったと笑った。
それから新八くんや神楽ちゃん、咲夜くんにもありがとうと言った。
「咲夜くんが受け止めてくれなかったら私死んでたよ。」
「いやいや、沖田くんも下にいたから。」
「本当にありがとう、咲夜くん!!」
「アレ?無視?銀さん泣いちゃうよ?」
隊長がいたのは知っていたけど、相手が相手なだけに言い辛い。お礼は言うべきだろうけど、あの顔を見ると素直にありがとうと言えない私がいた。(というかあの人は現在進行形でサボって私に巡回を押し付けている。)
結局助けてくれたのは咲夜くんだ。あの人何もしてないし、サボってるしサボってるしサボってるし。それに、
「ホラ、隊長ってS星の人だから…。スレスレで避けたり下からバズーカ撃たれそうで…。」
「S星って何!?S星って何!?普段どんな目で沖田さん見てんすか貴方!」
だけど、それでも最後には絶対助けてくれるって信じてる。
本人には絶対、死んでも言わないけど。
(無事で、良かった。)
私は幸せ者
(あの言葉を思い出すだけで、)
(心があったかくなるんだ。)
※これにて攘夷志士編は終わりです!
※次回から何書きゃいいんだ(笑)
←