▼17
先日の事件から少し経つ。私達は今日もいつもと変わらない毎日を過ごしていた。
侍ガール!
書き終えた書類や報告書を土方さんに提出しようと廊下を歩いていると、怒鳴り声と悲鳴が聞こえてきた。
どうやらまたザキさんがミントン(素振り)をしていたらしい。侍なら竹刀でも振ってればいいのに。
相変わらずな2人に苦笑する。
「毎日毎日騒がしいですねィ。」
「うわっ!!」
急に背後で声がして、思わず飛び上がる。
そこには、いつからいたのか沖田隊長がお馴染みのアイマスクをヘアバンドのように装着して立っていた。(というかこの人サボってたのか。うん、そうだな。)
「…た、隊長か。」
「あんた俺を何だと思ってんでィ。」
「化け物ですかね。」
「死にますかィ?」
「嫌ですね。」
カチャリと刀に手をかけた沖田隊長に顔を引き吊らせて後退る。
そういえば最近、1日のほとんどを隊長と過ごしている気がする(決して私がそれを望んでいるわけではない)。
気のせいだろうか?
不思議に思って、自分よりも幾分高い位置にある顔を見上げる。
「………。」
「………。」
「…何でィ。」
「あ、いや別に。」
仕事に戻りますね。と止まっていた足を再び動かし始めると、隊長は欠伸をしながらついて来る。
「…何ですか。」
「…別に。」
振り返って聞けばそんな答えが返ってきた。
全く、変な人だ。
「四季、昼寝しやしょう。」
「仕事してください。」
少しでも傍に
(またどっかに行っちまいそうで、)
(柄にもなく、不安になったんでさァ。)
※この後、二人仲良くお昼寝しててくれればいいなーなんてね。
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