▼12
「よりによって、テメーと2人かよ。」
隣の猫は嫌そうにため息を吐いた。
侍ガール!
旦那のところには、チャイナ以外にも天人がいた。
俺の隣であからさまに嫌そうな顔をしている茶色の猫は、ふと開いた口から人間の言葉を発した。
「四季のためとはいえ……俺が沖田なんかと手を組むなんて。」
「黙ってた方がいいですぜ?猫が喋ってんのは気持ち悪ィや。」
互いに嫌みを言って睨み合う。どうして土方さんはこんなヤロー共と手ェ組んじまったのかねィ。
思わず舌打ちしてしまいそうなのをグッとこらえ、敵の監視を続ける。
隣の茶猫が、大嫌いな茶髪の男に変わるのが見えた。
「……天人に助けてもらうなんざ、屈辱でさァ。」
四季を守れなかった自分と、目の前の攘夷志士共と、隣の茶髪。
俺をイライラさせるにはそれはもう充分過ぎるくらいで、感情に任せて言葉を発した。
けれど茶髪がそれに怒る様子はなく、
「別に、天人がみんな悪者じゃねーだろ。テメーらが必ずしも正しい訳じゃねェんだ。」
フンと鼻を鳴らし、四季と話している時より何トーンか低い声でそう言った。
「沖田総悟、俺はお前が嫌いだ。」
気に食わねェ。
「だけど、友達の……四季のためなら、お前とだって組むさ。」
その真っ直ぐな目も、
「俺は、四季のためなら何でも出来る。」
その真っ直ぐで綺麗な心も。
なんだか負けたようで
(アイツを大事にしてるのは同じハズなのに、)
(この敗北感は何だ?)
※バカだけど真っ直ぐで純粋なさっくんにイライラする沖田さん。
※ホントに心が綺麗な人見ると、自分の汚さ突きつけられてるみたいで嫌だよね(笑)って話
※うん。私です
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