▼10
ただ、守りたいという一心で。
侍ガール!
斬る倒れる斬る避ける。
ついに始まった攘夷志士との戦い。予想を遙かに上回る敵の数に、真選組は少しずつ押され始めた。
ザンッ
「ぐあぁっ!」
辺り一面に広がった死体と血の匂いに、頭が可笑しくなりそうだ。
斬っても斬っても減らない敵に、ジワジワと体力を削られる。
近くにいる沖田隊長もさすがに疲れが見え始めていた。
「隊長!!このままじゃっ……!」
「分かってまさァ!!」
次第に離れていく沖田隊長との距離に焦り、それでも襲いかかってくる敵に気が抜けない。
仲間とのコンタクトもままならない状況だった。自分にも余裕がないハズだった。
視界に入ったのは私よりも多く攘夷志士を相手している土方さんで、そんな土方さんを背後から斬ろうとしている攘夷志士がいて。
策も何もなかった。
何の考えも無いままに走った。ただ必死に走った。
──助けなきゃ、
頭にあるのはそれだけで、周りは一切見えていなかった。
「四季!!後ろみなせェ!」
聞こえた沖田隊長の叫びに振り向こうとした瞬間、後頭部にドスンとした衝撃が走った。
「四季!!」
薄れていく意識の中、土方さんの声を聞いた気がした。
後ろの正面鉄パイプ
(ただ無事でいてほしいだけなのに、)
(どうして上手くいかないの?)
※鉄パイプで頭ぶっ叩かれたヒロイン。
※なんだかんだで土方さん大好きだったりする。
※あくまでも落ちは沖田さんだ。忘れるな私。
←