ときめいてませんけど何か?







「う、わ……美味しい…。」





デントさんの作った料理(と、言っても摘む程度のものだが)はとても美味しくかった。「な?旨いだろ!」うん、君が作ったんじゃないけどね。テーブルの上で私達と同じように、デントさんの手作りであろうポケモンフードを頬張るピカチュウと何故かチョロネコ。いやいやいや、なんでいるのお前。さっき逃げたじゃん!サトシに帽子取るなって怒られて逃げてたじゃん!!可愛く鳴いてもダメだから。ピカチュウに媚び売ってもダメだから。





「でもカミツレさんに妹がいたなんてビックリ!!」

「あの人、仕事であまり家族関係のこと話さないみたいですからね。」





ジッと観察するように私を見るアイリスさんにニコリと笑いながら言うと、彼女の方からも可愛らしい笑顔が返ってきた。





「ナマエも可愛いんだからお洒落すればいいのよ。」

「…………え、」

「髪ツヤツヤだし、肌綺麗だし。勿体なさすぎ!!」





か、可愛い…だと?どうやらアイリスさんは相当視力が悪いらしい。隣でデントさんが頷いていたような気がしたけれど敢えてスルーの方向で。とにかく私はお洒落なんてものに興味はないし、お姉ちゃんと一緒だなんて嫌だ。スカートとか無駄に短いズボンよりもジャージの方がずっと動きやすいし、ポケモン達と遊ぶときにも何かと便利だ。別に身だしなみはそれなりに整えているし、清潔にしていると思うからなんら問題はない。何故それ以上に自分を着飾らなくてはならないのだろうか。最近の子はよくわからない(お前も最近の子だろとかいう突っ込みはしてはいけないと思う)。





「私なんかより、アイリスさんがした方が可愛いですよ。」





きっとお姉ちゃんは私みたいな妹より、アイリスさんみたいに可愛くて優しくていい子な妹が欲しかったんだろうな。何気なく開いた携帯の画面に大きく表示された「お姉ちゃん」の文字。二通目のメール内容は「明日も仕事」と「先に寝るよ、おやすみ」だけだった。どうやら本当に探しにきてくれないらしい。ああ、そうですよね。





「そうだ!せっかくだから泊まっていけよナマエ!!」





君はまた、急だね。目の前で名案だろう(ドヤァ)みたいな顔をしたサトシに小さく溜め息を吐いた。全く本当によくわからない人だ。でも不思議といやな感じはしなくて、一緒にいてとても安心できる人だ。





「みんなで寝ようぜ!!」












ドキッとか、してないから。


(ナマエ、顔赤くないか?)

(気のせいです。)













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