4.





「おねーさん、サッカーやろうぜ!」



未来から君に




なんやかんやという間に、私は幼い円堂と風丸と3人でサッカーをしていた。ちょっとリフティングをするだけでもキャアキャアと嬉しそうに声を上げる2人に自然と笑みがこぼれた。





「すっげー!おねーさんすっげーつよいな!!すっげー!」

「え…えんどう、としうえのひとにそんなことばづかいは、」





面白いなぁ…。身長なんか私の半分くらいしかないし、声変わりもしてないのに中身は私の知っている円堂と風丸そのものだ。だからだろうか、時空の中で迷子になっているというのにちっとも不安にならなかった。変わらない2人に、安心している私がいた。





「人ってそう簡単には変わらないもんだね。」

「ん?おねーさん、なんかいった?」

「何でもないよ。」





そう言って2人の頭を撫でる。恥ずかしそうにしながらも手をどかしたりしないで笑ってくれる小さな2人が可愛らしくみえた。そういえば円堂はこうやって撫でてやるとすごく嬉しそうにしてたっけ(風丸なんかは子供扱いするなって嫌がってたけど)。みんなに会いたいな、なんて、本人達を目の前にして思うことじゃないけれど。





「それじゃあ私、そろそろ帰るよ。」

「えぇ!?なんでだよ!」

「もう、いっちゃうんですか?」





2人の言葉に苦笑しながら頷けば、たちまち頬を膨らませて隣の幼なじみを困らせるバンダナ少年。ぷっくりとした頬に軽く指をさすとぷしゅっと空気の抜ける音がして笑ってしまった。そんな私に更に気を悪くしてしまったらしいバンダナ少年は私の服の裾をギュッと握って離さない。





「ご、ごめんごめん。でも私本当に行かなきゃなんないんだ。」

「だって、もうあえないかもしれないだろ!?」





あぁ、お願いだから君がそんな不安そうな顔をしないでくれ。今にも泣いてしまいそうな小さな小さなキャプテンをそっと抱きしめた。





「大丈夫、サッカーを続けてれば、また会えるよ。」





どこかで聞いた台詞だな、なんて頭の隅で考えながら、未だ納得していなそうな円堂とそんな彼を一生懸命説得してくれている風丸に手を振って足早にその場を去った。少し歩いたところにあったこの空間とワープゾーンを繋げる扉を前に振り返る。やっぱり、私が安心していられたのはあのオレンジのおかげだった。













君の言葉


どこか聞き覚えのあったあの台詞、やっぱり君の言葉だったよ。








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