3.





「…4年前って……どれよ?」




未来から君に





カノンと別れてしばらく、見えてきたのは様々な色の扉だった。とりあえず数が多い。無駄に多いよ、うん。





「……適当に入るか。」




目の前にあった少し小さめの優しいオレンジ色をした扉を開け、中に入った。





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「あれ?…河川敷?」





扉を開けると、そこには大きな橋の架かる私達がサッカーをしていたあの河川敷があった。

夕日が赤く照らすそこでは小さな少年2人がサッカーをして遊んでいた。2人共お世辞にも上手いとは言えないが、楽しそうにボールを追いかけている。そんな様子を端っこの方で見ていると、土で汚れたサッカーボールが転がってきた。





「すみません!ボールとってください!!」





1人の子が手を振りながら叫んでいる。ここからだとだいぶ離れているのでコントロールが難しい。トンッと軽くボールを蹴って、ドリブルをして持って行くことにした。





「いくよ少年!」





ある程度近付いてから少年が取れるくらいの強さでパスを出す。ボールは弧を描いてふわりと少年の手の中に収まった。





「すっげー!おねーさんもサッカーするのか!?」





キラキラとした目でボールを持ったまま寄ってきた少年に、私は目を見開いた。





「……え、」





無邪気で太陽みたいな笑顔、そして優しいオレンジ色のバンダナ。


目の前には、小さなアイツがいた。














熱血オレンジ


君だけの、君を示すに相応しい色。






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