「…4年前って……どれよ?」
未来から君に
カノンと別れてしばらく、見えてきたのは様々な色の扉だった。とりあえず数が多い。無駄に多いよ、うん。
「……適当に入るか。」
目の前にあった少し小さめの優しいオレンジ色をした扉を開け、中に入った。
─────
─────────
「あれ?…河川敷?」
扉を開けると、そこには大きな橋の架かる私達がサッカーをしていたあの河川敷があった。
夕日が赤く照らすそこでは小さな少年2人がサッカーをして遊んでいた。2人共お世辞にも上手いとは言えないが、楽しそうにボールを追いかけている。そんな様子を端っこの方で見ていると、土で汚れたサッカーボールが転がってきた。
「すみません!ボールとってください!!」
1人の子が手を振りながら叫んでいる。ここからだとだいぶ離れているのでコントロールが難しい。トンッと軽くボールを蹴って、ドリブルをして持って行くことにした。
「いくよ少年!」
ある程度近付いてから少年が取れるくらいの強さでパスを出す。ボールは弧を描いてふわりと少年の手の中に収まった。
「すっげー!おねーさんもサッカーするのか!?」
キラキラとした目でボールを持ったまま寄ってきた少年に、私は目を見開いた。
「……え、」
無邪気で太陽みたいな笑顔、そして優しいオレンジ色のバンダナ。
目の前には、小さなアイツがいた。
熱血オレンジ
君だけの、君を示すに相応しい色。