※TFダークサイドムーン

※ネタバレ注意







スタースクリームの撃ったミサイルはオプティマス達が乗っている船に直撃し、爆発して粉々になった。残骸が海に落ちていくのをサムの隣でただ見ていた。ビーの、バンブルビーの姿がどこにもない。本体どころかその部品さえも見つからない。





「…ビー、?」





ぽつりと呟いた言葉に、サムが隣でピクリと肩を揺らした。やめてよ、そんな悲しそうな目で私を見ないで。だってそれじゃあまるで、ビーが死んじゃったみたいじゃない。ビーは強いの。帰って来るの。きっとあれは何かの間違いよ、ビー達はもうとっくに逃げてるのよ。だからお願い、震えた腕で抱きしめないで。泣いてもいいよなんて優しい言葉をかけないで。ビーは生きてる、生きてるのよ。ねぇそうでしょ、バンブルビー。





「これからは、僕達自身が戦うんだ。」





帰ってきて、ビー。そして早く私を抱きしめて。




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戦場は、私が思っていたよりもずっと危ない場所で、完全に足手まといになっていた私は迷惑にならないようにみんなと離れていたのだけれど、どうやらそれが間違いだったらしく、スタースクリームに捕まってしまった。





「貴様、プライム達と一緒にいた女だな?」





終わった。オプティマス達と一緒にいたのを目撃されている時点で仲間じゃないなんて嘘は通用しない。そんな嘘、つく気もないが。





「女、命乞いをするなら助けてやらんこともないぞ。」

「別に。殺せば?」

「なんだと?」





もう死んだっていい。バンブルビーのいないこの世界で生きている意味なんてないんだから。それならいっそのこと、彼と同じ敵に殺されて同じ場所にいきたい。

驚いたような顔をしているスタースクリームを見ながらフッと笑う。





「これから先、あんた達と生きていくくらいなら死んだ方がマシよ。」

「…だったら望み通りにしてやろう。」





ごめんねビー。私、弱いから1人じゃ何も出来ない。貴方を失って、みんなの足手まといになって。だったら私なんかいない方がずっといいの。


銃を構えたスタースクリームに、私は目を閉じた。





──なまえ!





ビーの声が聞こえる。私は幻聴を聞いてしまうほどに彼が好きだったのか。だけど気付いた時にはもう遅い。彼はいないし私は死ぬ。

こんなことならもっと素直になっておくんだった。いつもビーを困らせて、なんて最低な女だろうか。





「死ねェェェェ!!」





バァンと銃が鳴った。さようなら、ありがとう、大好きを何度も心の中で繰り返して身体が粉々になるのを待った。なのにどうしてか衝撃はこない。スタースクリームが外してしまったのだろうか。こんな大事な時に外してしまうなんて、もしや彼はバカなのだろうか。気になってそっと目を開けると、そこには薄汚れた白ではなくピカピカの黄色があった。





「“大丈夫?”“助けにきたぞ!”」





スタースクリームを蹴り飛ばして、だらしなく口を開けたまま突っ立っている私を、黄色が抱きしめた。





「“僕は”“君が”“死んでしまったら”“生きてはいけない!”“ボクには”“君が”“必要なのさ”」





ラジオで流れる言葉を繋ぎ合わせながら、一生懸命に話してくれる私の大好きな黄色の彼。あぁ、ほらやっぱり帰ってきた。





「“会いたかったよ”」





カーステレオから聞こえるこの場に似つかわしくないゆったりとした曲は、いつか私が好きだといった曲で。





「……バ…ンブル、ビー、」





貴方のひんやりとしたこの体温が、カーステレオからでてくる少し掠れたラジオの継ぎ接ぎの声が、貴方の全てが、






「大好き。」














君依存症


(種族も星も関係ない)

(貴方がいなければ私は生きることすら出来ないの)







※書いて思った、このヒロイン怖い(´・ω・`)













君依存症