「はじめまして!姉ちゃ……四季の妹の泉です!!」





元気に挨拶をしてぺこりと頭を下げたチビはどうやら四季の妹らしい。付き合い始めて2ヶ月、出会って数ヶ月を共に過ごしてきて全く知らなかったという事実に若干ショックを受けながら、クラスメートに囲まれてニコニコと仲良く並んでいる東城院姉妹を見ていた。妹は四季のショートの髪とは違って長い金髪をポニーテールにし、瞳の色は深い赤じゃなく明るい緑。雰囲気はどちらかと言えば元気そうな感じがして、普段はチャイナや姉御に比べるとかなり大人しい四季とは正反対だった。正直あまり似ていないのだが、さっきそれを指摘した土方コノヤローは姉妹にそれはそれはものすごく嫌な顔を向けられていたので敢えてスルーすることにした(ザマーミロ土方)。





「にしても、四季に妹がいたなんて…初めて聞きやした。」

「あんまりみんな家族の話しなかったから、言うタイミングがなくて…。」

「でも可愛いわね、泉ちゃん。」





よしよしと姉御に優しく頭を撫でられた妹は、四季の制服の裾を軽く握りながら頬を染めてはにかんだ。そんな妹を見てか、周りはほんわかとした空気が漂っている(Z組にあるまじき光景だ)。





「泉、本当にありがとうね。すごく助かったよ。」

「平気平気。姉ちゃんのためならエベレストだって登るから。」

「じゃあ私は泉のためならブラジルにだって泳いでいくよ。」

「えへへ、ありがとう姉ちゃん。」





急にラブラブし始めた金髪姉妹(羨ましいとか思ってねーよ)は周囲からの視線を足の小指の爪の甘皮程も気にしていないらしく、2人の世界に旅立っていった。





「っつーかぶっちゃけ、四季ってシスコン?」

「黙れボンレスハム。」

「おい、顔が良いからって何でもいって言い訳じゃねーぞこら。」





背後でぼそりと呟いたクソハムの言葉は聞かなかったことに。どんなにシスコンで公衆の面前で妹に抱きつこうが、下手すると口説いているように聞こえる言葉をいいあってようが、頬擦りしようが四季は四季だ。俺は絶対に受け入れられる自信がある。「あ、そう言えばそこの茶髪。」おいチビ、いくら四季の妹だからって俺を指差すたァいい度胸だなしばくぞコノヤロー。





「姉ちゃんと付き合ってるみてーだけど、挨拶ぐらいしろよしばくぞコノヤロー。」





すいませんでした。











to be continued


(あははは、半分くらいは嘘。)

(は、半分!?)

(姉ちゃんのことよろしくな、茶髪。)

(俺のあだ名は茶髪で決定かコノヤロー。)















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