「あ、あれ?」





東城院四季、大ピンチです。今日は珍しく沖田くんがお昼を一緒に食べようと誘ってくれました。沖田くんは恥ずかしがり屋さんなのでみんなの目につかない場所で食べようと言っています。さて、ここで1つ問題があります。今、私は自分の鞄の中からお弁当を出そうとしているのですが、そのお弁当が全く見当たりません。これはマズいです。非常に大変なことになってしまいました。せっかく誘ってくれたのにお弁当を忘れて食堂に食べにいくなんて私の隣で少しだけウキウキとした、ツンデレな可愛い沖田くんにそんなこと言えません。もう一度言います、大ピンチです。





「四季、どうかしやしたかィ?」

「え、あ…なんでもないです。」





覗き込まれて思わず肩が跳ねてしまいました。不思議に思ったらしい沖田くんはついに私の鞄の中に視線を移します。





「弁当、忘れたんですかィ?」





バレてしまったようです。とても隣からの視線が痛いのですが、嘘はつけないのでコクリと頷くと、沖田くんはすごく残念そうな顔をしました。





「ご、ごめんね…。持ってきてると思ったんだけど…、」





神楽ちゃんが後ろでニヤニヤと笑っている。沖田くんの機嫌が悪くなる。土方くんが「ドンマイ」と言うように彼の肩を軽く叩く。沖田くんの機嫌がさらに悪くなる。





「いや、いいんでィ。急に誘った俺が悪いんでさァ。」





いや、そう思ってくれるなら腕を離して下さい。私を気遣ってくれるような優しい言葉とは裏腹に、私の腕を握る力を強める沖田くん。いやあの、結構痛いです。

ちょっと泣きそうになる5秒前、廊下からトタトタと可愛らしい足音が聞こえてきたかと思った次の瞬間、教室のドアがバタンと大きな音を立てて開いた。





「姉ちゃん弁当忘れたよ!!」





サラサラの金髪をポニーテールを揺らしながら入ってきたのは紛れもなく、私の可愛い妹でした。







to be continued


(あれ?ドア、力いっぱい開きすぎた。ひび入ってる。)

(おいィィィィィィ!!)











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