「ダーリン!!」
エイリアの事件後も、リカは何度も稲妻町に来ては俺を追いかけていた。
正直自分の何がいけなかったのか、さっぱり分からない。あの日お好み焼きを食べてしまった俺を殴りたい。
土門には日頃の行いが悪いとそうなるんだって言われたけど、俺はそんな悪いことはしてない………といいなぁ。
女神様、頼むからサッカー以外の時も少しは俺に微笑んでくださいよ本当に。
「もう!照れんでもええやんダーリン!!」
「リカァァ!!」
グイッと腕を引かれたその時、俺を困らせている張本人を呼ぶ声が河川敷に響いた。
少し視線を上げると、橋の上に腕をくんで仁王立ちしたままこっちを(というかリカを)睨んでいる女の人がいた。
「ね、姉ちゃん!」
「「姉ちゃん!?」」
リカに姉ちゃんと呼ばれたその人は、一直線にこちらに歩み寄って来ると、未だに俺の腕にくっついていたリカを引き剥がして、彼女の頬をにゅっと引っ張った。
「店番サボってどこ行った思うとったら、アンタこないなトコで何しとるんや!」
その人、お姉さんは、周りに構わずリカを怒る。いつもは堂々としているリカがどんどん小さくなっていくのを、俺達は呆然と見ていた。というかお姉さんは大阪からわざわざ東京までリカを追いかけてきたのか。ある意味似てるなこの姉妹、うん。
しばらくして、一通り叱り終えたお姉さんは、俺の方を向いて困ったような顔をする。
「リカが色々迷惑かけてもうて、ゴメンな?お好み焼きのことは気にせんといて。」
そう言ってお姉さんは優しく俺の頭を撫でて、ニコリとそれは綺麗に微笑んだ。
(う、…わ……。)
女神って、ホントにいるんだ
(ダーリンはウチのラブラブお好み焼き食べたで!)
(アホか、そんなん詐欺師と一緒や)
※パワフルだけど優しいリカ姉にときめいた一之瀬でした!
※ってか名前変換ねぇ!!