世の中にはたくさんの不思議がある。この世界に来れたこと、マルコと出会えたこと。そして、マルコと想いが一緒で、恋人になれたこと。出会いは必然というけれど、普通に生きてきた日常がここまでガラッと変わるなんて想像もしなかった。
この船での日常が当たり前になりつつある今、マルコの部屋で読書をしているとなおさらそう思う。どうやらこの世界には火の海や全世界の魚が泳ぐオールブルー、島の中で天候が変わっている島なんていうのもあるらしい。
「この世界には色々不思議な島がたくさんあるんですねー、マルコは色んな島をみてきたんだよね、すごいなぁ」
「別にすごくないよい。まぁ楽しい島もあるが、大体その前に他の海賊やら島の住民やらと戦う事が多いからねい。島自体は記憶にないことが多いよい」
二人でベッドに腰掛け、並んで読書をしていた。
「へー…あ、ほらこのお菓子の国!こんなのもあるんだ!ここは行ってみたいね!」
「…そこは、まぁ楽しいところだろうよい。」
ちょっと気にかかる答えだったがページを進める。この本は地形な島の天候が乗っている本で見ていて飽きない。
「それより、俺は***の住んでた世界の話が聞きたいよい。」
「え、私の所は全然楽しくないですよ??なにが聞きたいですか?」
私はあちらの世界の事を思い出す。1日過ごす中で何か面白いものがあるかというと、全然想像がつかなかった。面白さで言えばワンピースの世界の方が価値がある。能力者とか、羨ましいよ。
「毎日、***はどんな暮らしをしてたんだよい?」
「えーと、朝はコーヒーとパンを食べて、着替えて会社にいって…あ、働くところですね。あとはかえる時に買い物して簡単なご飯作って、お風呂入って寝るみたいな。ここと変わりありませんよー。」
「平和だねい。海賊はいないのかよい?」
「海賊…はほとんどいないですね、みんな陸にいるので…私ももっと冒険してればよかったなあ」
「まぁ平和が一番だよい」
そういってマルコが私の頭に手を置く。そのままふわふわと髪を撫でる。
「でも、私思うんです。もっと冒険したり、挑戦してたらマルコの役に立てました。強くなってれば、マルコの隣で戦えてたかもしれないのに」
この世界に来て思ったのは、強い者が上にたつということ。この船では白ひげさんだ。白ひげさんは強いだけじゃなくて、思いやりももってる、心も強い人。白ひげさんほどには遠く及ばないが、私にもっと力があればみんなの役に立てるのに、とそう思った。
マルコを見れば、そんな私の言葉に反応し、優しく笑いかけてくれた。
「***は、***のままでいいんだよい。人間それぞれ得意分野があるから、お互いに補えばいいんだよい。だから、」
そういって、私を抱きしめる。
「***を隣で守らせてくれよい。」
(またマルコがかっこいいこといいました…)
(惚れ直したかよい?)
(最初からすき、です!!)