「なーあいつらほんっと仲いいよなー」
甲板にいるマルコと***を見て、サッチがイゾウに呟いた。
「あぁ、いつもの事だろ」
イゾウは自身の刀の手入れをしながらそう返した。心底どうでもよさそうだ。
「いやさぁ、なんでなのよ。俺にも春が訪れてもよさそうじゃない?次の島で素敵な女の子ゲットしちゃうよ?いいのかな?」
「知らん。親父に聞け。大体、***はそういう目的で乗ってきたわけじゃないだろ」
「そうだけどさー、ずるいよなー。でもま、可哀想だけどね」
「あ?可哀想っていうのはなんでだよ」
「よく考えろよ!大体に日中は誰かと仕事してるし、マルコは隊長だから忙しいのは当たり前だし、***ちゃんだって仕事に追われてるだろ。ちゃんと二人の時間は取れてるんかねぇ」
「いい大人なんだから、部屋ではなんか…いい感じなんだろ」
「なんだよ!!いい感じって!あの部屋で何をやってんだあいつらは!!」
「知らん。お前が言い出したんだろうが…。ていうか気になるなら聞いてこいよ。」
「お前、そんなんマルコに聞いたらまじで殺されるに決まってんだろ!」
「まぁ、そうだな」
「だからよ、俺はマルコの親友として計画があるんだが…。」
***
今回の島は前回と違ってとてものんびりした町…というより村に近いかな。観光できる場所よりも人々が生活している所だ。なんでも、祈祷師がいて占いによって村が成り立っているらしい。
そういう話、大好きだからとても楽しみだった。マルコは信じてないみたいだけど。
「マルコ!この島パワースポットがたくさんあるらしいんですよ!一緒にいきましょうよ!」
「パワースポットねい…。***はそういうの好きだねい」
「行くだけで元気もらえるなんて最高じゃないですかー!村の人の話では知る人ぞ知る場所!らしくて、それ目的で来る人もいるんですって!」
「そうかよい。じゃあ後で行ってみるかよい」
「あ、あーお二人さん。そこのパワースポットはある限られた時間しか入る事が出来ないみたいだぞ??これ、祈祷師にもらったメモだ」
「なんだ、サッチ。お前こういうの興味ないだろい?」
「***ちゃんが好きそうだから、メモっといたんだよ!」
サッチさんが相変わらず思いやりがあって優しいな、なんて思いながら、そのメモを受け取る。
「えーと、日没前の30分前から一時間だけ…??随分短いですね??」
「パワースポットなんだから、しょっちゅうパワーが溢れてるわけじゃないんだってよ」
「あ!なるほどそうですよね。じゃあこの時間に行きましょうね!マルコ!」
「***が喜ぶなら、それで良いよい」
「じゃあデート楽しめよーー!」
そういってサッチさんが船から送り出してくれた。
さぁ、パワーをもらいにいかなければ。
(デート、だよい)
(ワクワクしますね!!)