君の存在


前の島で大分稼がせて頂いた私は、再び白ひげさんの船に乗せてもらい、お世話になっている。
(本当はあそこの島で降ろされるはずだったんだよなぁ)

ここまで仲良くなったのだから、さすがにあの島でみんなと離れるのは寂しかった。親父さんが許してくれたからよかったけど、もしあのまま置いていかれてたら、もうマルコには会えなかっただろう。そう考えると、少しだけ胸の奥が痛んだ。

また今日からお仕事は続行なので、部屋に行ったり甲板に行ったり、いろんな人に物を渡したりしていた。
今日は白ひげさんが甲板におり、隊長達となにやら話しているようだ。

「ちょっとハルタ、いい?書類渡すの忘れてたから、はいどうぞ。」

「おっ***じゃん、ちょうど良かった!呼びに行こうと思ってたんだよ」

「え、何…この前頼まれた部屋の掃除ならもうやらないよ…。」

「ハルタは***にそんなこと頼んでたのかよい…?担当の仕事はちゃんと自分でやれよい」
マルコが呆れ顔でハルタに言う。

「わー!!***それここでいうなよな!!マルコの小言はしつこいんだぞ」

「だって本当だもん。あそこの掃除きつかったんだしさー。で、どうしたの?」

「いや、親父がさー」

「グラララ!***!忙しくしてんじゃねーか。結構なこった!」
白ひげさんが笑いながら私の頭に手を置く。とても重いけど優しくて、あったかくてほっとするのは、この人の性格が滲み出ているからだろう。

「よくないですよー、マルコ以外はみんなよく使える家政婦くらいにしか思ってないでしょー」

「そ、そんなことないぞ?!ちゃんと仲間としてだな!お前がはやくみんなに馴染んだらいいなと思ってさ!」
と、否定するエース。

「まぁエースが一番私に用事いいつけるけどね…書類だコップが割れただのネックレスが千切れたから探してだの」

「それは…まぁ…わりぃと思ってるよ…」

「お前らが***をそんな下らない用事で呼ぶから、俺のところになかなか来れないんだよい!***!もう下らない用事は無視していいよい!」

「え、やった!じゃあハルタの刀の鍔どれがいいかなとかの相談も!エースの夜中に腹減ったから一緒に冷蔵庫まで付き合ってほしいとか!キングデューさんの髪が跳ねたから悲しい時とかに慰めなくていいんですね?!」

隊長格がそれぞれ冷や汗をかく。
「お前ら…」
ゆっくりと隊長達に近づき、
マルコが周りに青い炎を出し始めた。
言い過ぎたかもだけど、ほんとだもんね。しょうがない。マルコ、あとは頼んだ。
マルコが逃げる隊長達を追いかけて、どこかに行ってしまった。
「グラララ!まぁみんなと仲良くていいことじゃねぇか!それでだな、俺の体調も落ち着いてるわけだが宴を開こうと思ってなぁ」

「宴ですか?!楽しみです!」

「おう。時間たっちまったけど、お前の歓迎会も兼ねてな。久々に酒浴びるように呑んでやるぞ!」

「親父さんはだめですよ。ナースに止められてるでしょ。」

「…アホンダラァ」

「ナースさんに頼んでどのくらいだったらいいか聞きますから!量は守りましょうね!!」

「グラララ!***は母ちゃんみたいだなぁ!だからみんな安心して仕事頼んだり話しかけたりできんだろうよ。」

「えー?ほとんど年上なんですけどね…。でも頼りにされてるのは、とても嬉しいです。」

「***がいなくなっちまったら、この船はまわんねぇなぁ」

「そこまで大きな存在じゃないですよっ!買い被りすぎです!」

「いやァ、少なくともマルコには…」

「マルコ?がどうしました?」

船の奥の方で刀がぶつかる音がする。

「なんでもねぇよ。マルコが暴走する前に止めてやってくれ」

「えっ?!あれを止めろと?!…は、はい行ってきます。」

「今日の夜は楽しみにしてるぞ、***」

「はいっ、楽しみましょうね!」


(マルコー!もういいですから!)
(俺は本気じゃないよい、大丈夫だ)
(目がマジですー!!ハルタも刀しまってよー!)
(へへっケンカは買わなきゃだからなー!
)
(もう、好きにしてください…)




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