あなたの未来は


「わー!!大きな街ですね!」
街の入り口についてから賑わっている繁華街を見た。活気が溢れていて、魚屋さん、雑貨屋さん、飲食店なんでもごされだ。
エース、サッチさん、イゾウさん、マルコに連れられ街へと繰り出すことにした。みんな何故か浮き足立っている。どうやらこの島には2泊するらしい。
「ひっさびさの島だなー!!おもしろそーな食材が並んでるぜ!どう調理すりゃうまくなんだろうな〜なに買おうかな〜」
「とりあえず肉だな!飯屋があるぞー!」
「おれァ酒酒飲めりゃどこの島でもいいんだがな」
やはり皆久々の島でそれぞれ楽しみがあるらしい。

「***は、何かいきたいところはないのかよい?」
「うーんそうですね、洋服買いたいです。」
「そうかよい。俺も付き合うよい」
「そんな!悪いですよ!私一人で回れますし…」
「んなこと言うなよい。俺が、付き合いたいんだよい」
マルコは相変わらず私を甘やかしてくる。でも、初めての島だしここは甘えて…って

「私お金なかった!!!」
海に落ちた時の財布は持ってきたものの、この世界で使えない事を忘れていた。しかも今の残金シャツ一枚買ったら終わりくらいしか入ってなかった。給料日前だったし。
「あぁ、そんな事気にすんなよい、俺が、」
「ちょっとお金稼いできます!」
「お、おい!待つよい***!」
「マルコも手伝ってくださーいっ!」
私は必要なものを取りに帰るべく、船へと向かった。
・・・・・
「で、これでなにすんだよい」
持ってきたのは雨の日に着る黒いカッパと、エースがいつもつけてた赤い髪飾り。
「この街、老若男女いるのになんでこれがないのかなーって思ってたんですよね」
路上に簡易的な机を設置して、首飾りを真ん中に置く。黒いカッパを被り、用意は完璧だ。
「じゃじゃーん!」

「えーと、まったく意味がわからんよい」

「マルコってば!占い師ですよ、占い師!」

「あぁ、たしかに本とかで見たことあるよい」

「海賊の仲間になったことだし、ちょっとずるいことしたいなって思いまして。今回は、見逃してください」

「***がしたいならすりゃいいが…お金の心配は、」

「働かざるものなんとやら!です!」

「…よい」

「ということで、マルコは目立つのであそこのオープンテラスがある喫茶店で様子を見といてください。あそこなら私が見えるし、なにかあってもこれるでしょう?」

「わかったよい…あー、無理だけはすんなよい」

「はい!今日のご飯は奢っちゃいますよー!」
なぜ私がここまで張り切っているのかというと。
元の世界でもオカルトは好きだったし、最近コールドリーディングの本を読んでたから試したかったのもある。…巧くはいかなくても今日のご飯と洋服くらい買えたらいいな、と思っていた。

・・・・
エース、サッチ、イゾウの3人は各々買い物や食事を済ませ、帰路に着いていた。
「うお、なんだこの行列!新しい屋台か?!」

「いや、食べ物の匂いはしねぇみたいだぞ」

「じゃァ大道芸の類じゃねえか」

「うーん、見えねぇな…ってあそこにマルコがいるぞ?」
エースがマルコの姿を見つける。どうやらなにか止めてるようだ。
「俺ちょっと様子見てくるわ!困ってるみたいだしな」

「おー!食べ物ならはやく教えろよな」

「マルコ、この騒ぎはなんだ」

「サッチ!こいつら止めてくれよい!効かないんだよい!」

『教祖様とお話を!私は明日どう行動すればよろしいのでしょうか?!』
『教祖様の売ってくれたコイン、本当に怪我が治ったんだ!もう一枚くれよ!』
『教祖様ー!!』

「教祖?誰のことだ?」

「…っいいからこいつ連れて船に走れよい!」
マルコの後ろには雨ガッパをきた誰かがいた。
「なんか知らねーけど、大変そうだから了解したぜ!」

その教祖様とやらを小脇に抱えて、急いで船に戻った。


「で、教祖様の正体は***だって大体わかっていたけど、なんであんな事態になったんだ?」

「あはは…なんか、不思議なことに言うこと言うこと全部当たっちゃって。で、悪いことなんですけど私の国のお金をこれで病気でもなんでも治りますって渡したんですよね。あ!もちろん売ってはないですよ?信頼させるためにしたんですけどね…。そしたら寄付だとかお心付とか、もらって。最終的にはああいうことに」

「まったく!あんなに人が押し寄せてくるなんてヒヤヒヤしたよい!もう二度とさせないよい!」

ちょっと楽しかったのに残念だな、思ったのは内緒。

(で、いくら稼いだんだ?)
(…もう、当分はお金の心配いらないみたいですー)
(あの短時間でか?!才能だな)
(守る立場にもなれよい!)




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