姫シリーズ | ナノ






精神世界で、六道仙人たるものから無理やり話を聞かされたマダラと柱間。ふたりはひどく焦っていた。この場に、**がいないから。


「話は終わりか」
「なにをそんなに焦っているんじゃ。ここにいる限り、現実世界でなにが起ころうとお前たちに被害はないぞ」
「現実世界で1人にさせてしまったやつがいるのだ。俺たちがこうしている間に、あいつは1人ぞ。」
「頼む、急いでくれ」
「…片手を差し出すのじゃ」


2人は話を聞きながら片時も**を忘れなかった。むしろ時間が経つにつれて焦りばかりが脳内を支配していた。


「お前たちが同時に地爆天星をするのじゃ。いいな、同時にじゃぞ」
「あぁ」
「わかったぞ」
「すまん、頼む」


次の瞬間、ふわりと浮いたような感覚に陥るふたり。そして目を開いた。


「兄者!」
「兄さん…!」
「扉間と、」
「イズナか。**はどうした」


先ほどいた部屋でなく、医療室で多数の医療忍者に囲まれてふたりはいた。


「**は、…今っ…!」




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「**!!」
「っ、!」


扉間に飛雷神で**がいる場所に飛ばされた2人。しかし2人は目の前の状況に目を見開いた。


「っ、ゲホ、…」
「おぉ…妾の息子たち…帰って来たか…」


おびただしい量の血の中心に、**はいた。腹をカグヤの腕に貫かれながら。

カグヤと**の服が赤に染まる。もはや生きているかもわからないほどの血の量だった。


「ッ**…!!」
「行くぞマダラ!『皆布袋の術』!」
「無駄じゃ」


ふわりと宙に浮いたカグヤ。そしてそのまま木遁に向かって八十神空撃を放った。その隙にカグヤの視界に回るマダラ。須佐能乎を出現させ、カグヤに斬りかかった。

しかしそれも嘲笑うように交わすカグヤ。そしてマダラに向かって自身の髪の毛を鋭くし、突き刺すように放つ。


「!」
「くっ…『木龍の術』!」


その攻撃をなんとか柱間が止め、態勢を整えなおす2人。ここに**がいれば、3人は3人ともがお互い前だけを見て攻撃ができるのに。

未だ流れる**の血液。いくら**でも、この状況で生きているかはわからなかった。


「…しつこいのぉ、お前も」
「っ、ま、ダラ……しらま……」
「!**!!」


百豪のチャクラによる創造再生が行われている。しかしカグヤの腕が再生を邪魔している。チャクラだけを消費してしまっているこの状況を**は抜け出せなかった。


「ならば…『木遁・花樹界降臨』!」
「『うちは仰ぎ』!」


柱間の出現させた花粉をマダラがカグヤに向かって吹き飛ばす。カグヤは手から出現させた大風によりそれを吹き飛ばす。

しかし、それを読んでいた二人は樹界の間を縫ってカグヤに向かって腕を伸ばした。


「『火遁・龍炎放歌の術』!」
「『木遁分身』」
「っ、…」


樹界がカグヤの足を捉え、さらにマダラの炎がカグヤを襲う。先に炎を対処しようとしたカグヤを、柱間とその分身が捕らえた。

分身は**を捕まえ、柱間は木遁の術をによってカグヤを完全に捕らえようとした。しかしカグヤは、片手を背後の柱間に向け、共殺の灰骨を出す。


「!逃げろ柱間!!」
「うおっ、!!」


何かを察知したマダラが柱間の足を掴み、カグヤから引き離した。柱間が離れたのを確認したカグヤは、自身を襲っていた龍炎に向かって骨を振るう。

当たった瞬間、灰となって砕け落ちる龍炎。そしてカグヤ自身の灰骨も粉々に砕けおちた。


「なんぞ、今の術は…!?」
「触れたら灰になるか…厄介だ」
「そうじゃ。こうやってな、灰になるのじゃぞ」


そう言ったカグヤは、新しい灰骨を出し、**に向けた。ゆっくりと**に近づく灰骨。


「っやめろ!!」
「くそッ…!!」


再びカグヤに向かって高く跳んだ。しかし確実に間に合わない距離だった。

灰骨は、もう**の目の前だった。カグヤは**が灰になるのを想像し、その冷徹な視線を向けた。



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It is far to the Milky Way.