姫シリーズ | ナノ








「あはははは!!!」
「ブフッ、ブワッハッハッハ!!」
「〜〜お前ら!笑いすぎだ!!」
「だっ、だってマダラの身体に柱間がっ、ククク、」


**と柱間とマダラは、朝起きたら火影邸に置いてあった書物を読んでいた。どうやら柱間とマダラが登場している、今とは違った世界について書いてあるものだった。


「てかなんで私出てないのよ!」
「へっ、ばーか」
「うるさい王様気取り」
「なぜ俺とマダラがこんなに仲が悪いぞ?」
「わたしがいないからでしょ」
「否定はできんな」


ペラ、ペラとページをめくった。白黒の絵が描かれたそれはなかなか面白い。なんたってマダラの胸元に柱間の顔があるのだ。
**はそこを何度も見ては腹を抱えて笑い転げた。自分が出ていないことなんて何にも気にしてはいない。


「あ、なんかこの十尾?って見たことある」
「どこでだ?」
「わかんない」
「なんだそりゃ」


変な気持ち悪い生物にまたも笑う**。漫画を抱えながら震えている柱間。その開かれたページはマダラ柱間(胸元の柱間)が仙人モードみたいに隈取りができている場面だった。


「何してんだよ俺…」
「もうほんっと黒歴史作りまくってるね、マダラ」
「俺が好きすぎんか?」
「んなわけねぇだろ」
「だが仙人モードの俺を胸元に、ブフッッ…、!!!」
「まっ、笑わないでっ、はしら、っあははは!!」
「お前らな…っ!!」


火影邸でゴロゴロと転がり回る2人にマダラは羞恥に顔を赤くした。
柱間の登場に身を震わせるマダラ、待っていた発言の後に「お前は後」なんて言われてショックを受けるマダラ、そしてやっぱり極め付けはマダラ柱間(胸元)。
これでもかというほど柱間ファンにしか見えない。


「はーっ、おかしい、マダラって本命には不器用なのね、よくわかったよ」
「ふざけるな、誰が本命だ!」
「俺は男色の趣味はないぞ」
「だから違う!!!」


プリプリと怒るマダラにまたもクスクス笑う2人。きりがない、と諦めたくなってもそれは叶わない。本気で恥ずかしいのだ。

はぁぁぁ…と大きくため息をつくマダラ。眉を顰めて口をへの字に曲げていた。

しかし次には思い立ったように口を開く。


「**がいなければ、こんなことになっていたのかもしれんな」
「まぁ、俺たちの戦争を止めたのも**だからのぉ」
「そーよー、2人とも感謝しなさいね」


えへん、と言いたげに腕を組む**。ニマニマとドヤ顔で笑うが、そんな**に2人は柔らかく笑った。


「ありがとうな、**」
「感謝してるぞ」


あまりに柔らかく、穏やかに笑うものだから**は調子が狂って仕方ない。ドヤ顔をしていたが口をへの字に曲げ、明後日の方向を見てゴモゴモと言葉にならない独り言をつぶやいた。
詰まる所、素直に言われて恥ずかしい反面かなり嬉しいのだ。


「照れたぞ」
「チョロいな」
「ぶっとばすわよ」


ぐいぐいとほっぺたを摘み、引っ張る**。笑えない強さに激しく暴れる2人だが、そんな2人を見て**は笑うのだ。悪魔のような微笑みで。


「もし2人が喧嘩したら、私が止めてあげる」
「ならお前らが喧嘩したら俺が止めてやる」
「そうか!頼むぞ!」
「お前も止めろ」「柱間も止めて」


バッドエンドなんて三人にはふさわしくない。いつだって、ハッピーエンドで終わらせる。それが三人だから。



どうしたってジュリエット
私も、2人に出会えてよかったよ。
そう言ったら、照れたようににやける二人。

その顔を見て、素直に私は気持ち悪いと言った。


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どうしたってジュリエット