ナルト 裏 | ナノ




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ぢゅ、

じゅる、

がぶ。


「ん、…痛い、」
「痛くしているんです」


白いシーツの上にその身を投げる**さんの白い肌に、男たちがつけていった痕は存在を主張するように散在していた痕を、その上からかき消すように痕をつけていった。

上書き、なんてそんな可愛いものじゃない。どこまでも純白に見せようとする彼女への戒めのように、痕が消えないように、俺の欲を押し付けているだけの行為。


「そんなに、わたしが嫌い?」
「…えぇ、嫌いです」
「ふふ、ヒドイ人」
「どっちが」


にこ、と綺麗に笑って俺の首に手を回す彼女に、小さな溜息がこぼれた。ある日を境に色任務ばかり繰り返すこの人は、本当に哀れだと思う。

そっと唇を赤く歪んだそれに重ねようとすれば、いや、と言って顔を背ける。

この人は、どうあっても俺とのキスを嫌がる。初対面の男とはするくせに、だ。


「そんなに嫌ですか」
「うん、イヤ」
「そうですか」
「っあ、いたっ…」


ガリ。
散々傷つけられた鎖骨にかぶりついた。じわ、と血が滲むのを確認して、それにべろりと舌を這わせた。

痛みで歪められた顔を見て、ある種の欲が満たされるようだった。


「わるいかお。」
「…あなたには敵いませんよ」


鎖骨からゆっくりと下に手を寄せる。膨らんだ二つは無視して、すでに滑りのある足の付け根へと指を添わせた。


「痛くされてるのに濡れるんですね」
「ん、ぅあ、…っは、」
「淫乱」
「んっ、ハァっ、まって、っ」


既に濡れている中に指を挿し込めば、なんの抵抗もなくぬるりと容易に侵入していった。
そしてそのまま、なんの考えもなしに無理やり指を暴れさせたら、抵抗するようにぐ、と肩を押される。

そんな彼女の腕が邪魔だったから、仕方がない、と両腕をまとめあげた。離して、なんて言ってくるが、本心かはわからない。


「酷くされるのが、好きでしょう?」
「そんなっ…ことなっ、あっ、やさし、のが、いっ」
「何を今更純情ぶっているんですか」
「っふ、んん、!」


優しくしてほしいなんて微塵も思っていないくせに。

じゅる、とわざと音を立てながら、口でその勃った胸の先端を舐めあげる。それに合わせて指を激しく上下に暴れさせれば、我慢するような小さな声で喉を鳴らしながら体を震えさせた。


「なにを我慢しているんですか」
「っん、んん、〜〜っ、」
「あの男の前では、煩いくらい啼いてたくせに」
「な、に、ぁっ、…ネジくっ、んっ、はぁ、…嫉妬、?」


余裕たっぷりに挑発するようにそう笑う**さん。そんな姿にピクリと眉にシワが寄る。


「っあ、!あぁっ、うぁ、!」
「あなたのイイとこは、もう全部知ってますからね」
「まっ、やぁ、!もっ、ゆっくり、っ…!」


ぐちゅぐちゅと水音を鳴らしながら、押しあげれば腰が震える場所を無理やり責め立てた。
回数を重ねているはずの中は蠢くように俺の指を離さない。体が痙攣するように震わせては背中を仰け反らせる**さん。


「あ、はあっ、!だめっ、ぁん、!」
「もうイキそうなんですか?」
「〜〜っは、っん、!」


ぎゅ、と目を閉じた**さん。何かに耐えるような表情に、支配欲が満たされる。
切なげに歪められた表情とともに、指が締め付けられたのを確認したらすぐにその指を引き抜いた。


「っあ、ネジく、…」
「こんなんじゃ、淫乱な**さんは満足しませんよね?」


寸前で止められ、足りない、と表情が物語っていた。震える腕が首に巻きつく。それを合図に性急に邪魔な服を脱ぎ捨てた。

あの大名の男は意気揚々と麻薬を売り捌いていたが、あの男も所詮**さんという麻薬に毒された哀れな男だった。

それはきっと、俺も然り。

ぬる、と自身の欲を入り口に這わせた。早く自身も溺れたい、と本能が急かしているこのタイミングで、**さんはゆっくり口を開いてやすやすと俺の視線を掻っ攫う。


「ネジくん、忘れるくらい、めちゃくちゃにして、」


これで溺れない男がいたら見てみたいものだ。うっとりとした表情で、膣口をヒクつかせながら、じっと俺の目を見て離さない。

皮膚に残る赤い痕は独占欲の象徴か。


「っあ、!」
「っは、…仰せのままに、**さん」


ぐちゅ、
恋愛感情にも満たない意地の汚い支配欲。何も思うはずがないのに、意識の支配下でない部分でこの人を狂うように求めていた。
何度抱いても一向に満たされないのは、**さんが俺と同じくらい俺を求めないからなのかもしれない。


「ふか、ぁ、!〜〜っ、だめ、そこ、だめっ、」
「ハ、…好きでしょう、ココ」


グリグリと**さんが一層喘ぐところを抉るように煽った。
息すらままならない**さんが、半身震わせて体を反らせた。涙が一筋頬を伝うのを見て、べろりとそれに舌を這わせる。


「っは、っ、ぁっ、!」
「ハハッ、もう、イキそうなんですか、っ」
「あっ、それだめっ、あっ、ッ」


優しさの欠片も見せずに、接合部付近の陰核を指で押しつぶせば、がり、と背中に爪を立てられる。しがみ付くように強く腕を回され、びく、びく、と**さんの体が大きく揺れた。


「ハァ…、っ、ぁ、」
「まだ終わってませんよ」
「〜〜っ、まっ、今だめっ、!」


ゆさゆさと身体を揺すり、涙目で嫌だと首を振る**さんにさらに追い討ちをかけるように、腰を掴んでさらに奥へと進めさせた。

途端、泣き叫ぶような声で喘ぎ出す**さん。今まで散々**さんと別の男の行為を見てきたが、この表情だけは俺だけのもの。

どこまでも独占欲を刺激する**さんに手のひらの上で転がされていると知っていながらそんなことを思う。


「あぁっ、やっ、も、だめ、!あっ、!」
「っハァ…、出しますよ、!」
「っだめ、っ、あっ、あぁっ、!」


ーー×××くん


声にならない声を感じながらぐっと最奥に押し込んだ。
その瞬間に、ドクドクと流れ出る欲と、震える**さんの体。立てられた爪の後はまた当分消えないだろう。

**さんも、行為の度に痕を残していくから、きっと俺とは変わらない。

満足感と倦怠感と、苛立ちと無力感にさいなまれながら、ずるりとそれを引き抜いた。
グッタリとする**さんを布団の上に寝転がせ、その頬をスルリと撫でる。


「ネジくん、今日、怒ってた、?」
「…はい、怒ってます」


彼女はいつも、いつまでも俺の思い通りにはならないし、俺に目を向けることも、このくだらない行為をやめることもない。

気づいてないと思っているのか、絶頂する瞬間に男の名前を唇だけで示す**さんが腹立たしいのと同時に、そんな彼女を放っておけず、ズルズルと不純な関係を継続させる俺にも情けなかった。

本当に、血継限界の肩書きが憎たらしい。


ここは灰色、愛の国
『イタチくん』
彼女が求めるのは、愛か、血か、肩書きか。