七色家の抹茶狂

「ニーちゃんまたチョコドーナツ食べてるの〜?」
「そういう△▽はまた抹茶ドーナツでしょ〜」
「抹茶は世界を救うんだよぉ」
「抹茶様だね、でも抹茶おいしいもんね〜」



「「みなさんはどう思いますぅ?」」



「うぜぇよ!!!!」


ガンっと机を叩く猿門。キジ、犬士郎、ハジメ、共に激しく同意と言いたげに首を上下に振った。三鶴だけがニコニコとそれを見ていた。




「てかなんなんだ!!なんでニジマスの妹がいるんだよ!!!」
「そんなに怒らないでくださいよ〜シワ増えますよ?」
「こんのっ…クソガキ〜〜っ!!」




「女じゃなかったらしばいてるからな!!」と謎の捨て台詞と共にドカッと椅子に座った猿門。それでもニコニコと表情を変えない七色兄弟。




「で、なんなのよ、いきなり妹なんか連れてきて」



腕を組みながらキジが荒々しく聞いてきた。怒ってる?そんなのカンケーなぁい!それが七色家の日常だ。




「キジさんですよね?抹茶チョコ食べます?美容にいいんですよぉ〜」
「あらいい子じゃない!もちろんもらうわ!」
「餌付けかよ」




キジがこっそりと呟いたハジメを睨みつけた。こわばらこわばら。




「抹茶って疲れもとれるし、ストレスにも強くなるんですよ〜ハジメさん、夜用の抹茶飲みますか?」
「お前いい奴だな、ありがとう」
「貴様も同じではないか!!」




あまり見ることのできない犬士郎のツッコミまで見るれた。三鶴はクスクスと笑いながらその状況を楽しむ。




「ちなみに〜集中力も向上して、記憶力なんかもよくなっちゃったりするんですよ〜加えて老化防止にもなっちゃったり〜」
「ほう、そんなに万能なのか……」
「お前らいいように丸め込まれすぎだろ…!」
「抹茶すごいねー!」
「ふふ、抹茶は世界を救いますから〜」





ニコニコと嬉しそうに言う△▽。大げさすぎる、バカバカしい。




「ねぇ!もっと他に効果はないの?」
「ありますよぉ〜」
「おい、俺にも教えろ」
「私も抹茶を食してみるか……」
「いずみ〜抹茶クッキーまだあるぅ?」
「俺ちゃんも食べたいな〜」




チッ…どいつもこいつも馬鹿ばっかりだ。



「お、うめぇな」
「なかなか食べやすいな」
「でしょ〜いずみの抹茶料理は世界一なんだ〜」
「ほんと、おいしいわ!」
「俺ちゃん、抹茶にハマりそう〜」



………。

別に寂しくなんかないからな!!!

ふんっと明後日の方向を見て、腕を組んだ。ふわりと抹茶の香りが鼻をくすぐる。嫌だ嫌だと首を横に振った。




「猿門さんも食べますぅ?おいしいですよ、抹茶!」




…俺は!別に!!寂しいなんてそんなんじゃねぇからな!!!




「……食う…」






信仰宗教抹茶教?
抹茶教信者、絶賛増加中。