アンドロイド

「△▽」




名前の呼ばれた方に体を向き直す。わたしの方など見向きもしないでコンピュータの画面を見続ける兎万兎さん。あぁ、今日もですね。




「今晩、来いよ?」




貴方は私を求めるんですね。




「はい」




こんな機械の私を。






△▽



私は、ロボットだ。


正確に言うと、脳と心臓を除いた体全ての部分がヒトの肉体ではない。任務に失敗して死にかけた私を、兎万兎主任が生き返らせてくれたのだ。

アンドロイドとして。



がちゃりと彼の部屋を開ける。ノックはしない。するなと言われたから。夜の暗い部屋で、コンピュータの照明だけが彼を照らす。ワークチェアをくるりと回転させ、「待ってたぜ、△▽。」と口元を歪ませて言った。

静かに立った彼に、されるがままに手を引かれてあっという間にベッドに着く。優しい言葉も、キスも何もないまま強引に押し倒され、服を脱がされる。抵抗なんて言葉は、私の中に存在しない。

私は今日も、彼に女性として壊され、その後に機械として壊され、明日になればまた違う私が作られる。




「ん……あっ…」



グチュ、と粘液の絡まる音が部屋に響く。彼のモノが私のナカに入って一番イイところを執拗に突く。



「っとまと、さ……やっ、そこッ……」
「イイの間違い、だろッ!」
「あっ、やぁッ!」




設定された人の何倍もの感度はいつも私を乱れさせる。喘ぐだけで精一杯で感じすぎて死んでしまうのではないか、といつも考えた。





「イクッ、イキますッ、!とまとさっ…!」
「ははっ…キレイだ、△▽。おら、イケよ」
「っあぁ、!」





狂ったような日常。しかし絶望はしたことがない。彼に形だけでも愛されるのならば、この身なんてどうなってもいい。





アンドロイド
ただ一つ、願いを言うのならば、愛してると言ってほしい。