2015/10/07 23:03 「わはぁ、チックさんなんでも切れるんですねぇ」 チョキチョキチョキと目にも留まらぬ速さで一枚の紙を縦横無尽に駆け抜けてゆく鋏の様を眺め、圧巻といった表情の彼女はその見事な鋏裁きを披露するチックを賞賛した。 チックはいつも以上に笑みを深め嬉しそうに鋏を滑らす それを遠くから無言で眺めている男はその光景に不満があるのか、むすっとした表情をみせチックの所持する鋏をいくつか手にした。すると、それを投げては受け止めるといった行為を何本もの刃が開かれた鋏で行った。 「クレアさんも凄いですね、手を切ってしまいそうです。」 鋏でジャグリングを続けていたクレアは、聴きたかった言葉が聴けたからか、手を止め全ての鋏を元に戻した。 「わぁ、ほんとだねー。はい、できましたよお」 チックは鋏の動きを止め、机に置いて紙を開いた。そこには緻密な模様が施された蝶が切り抜かれていた。彼女は先程よりも一段とトーンの高い声で感嘆の声をこぼす。 「凄いすごーい!とっても綺麗ですね、チックさんは鋏使いの天才なんでしょうか?」 「えへへ〜そんなこと無いよー。僕だって練習したから出来るようになったんだし」 「俺は練習なんてしてないけどな」 「チックさん、今度は猫さん切ってください、猫さん!」 「良いよお」 「俺は猫でもジャグリング出来るぞ?」 何が書きたかったかと言われれば、1932でクレアが鋏でいろいろやってるのがなんか面白かったから… チックさんに変な張り合いするクレアとかかわいいかな?ってね☆← prev | next |