▽面倒事は大嫌いです [3/4]


何とか来良病院に着いた私は病院内をうろうろしていたらナースさんに「いました!」と騒がれ病室へと連れていかれた。
そして早く治療室へ、と言われた時に私は何故か怪我してないんですよと言う。
当たり前だがみんなポカンとした顔になり少し体を動かしたら信じてくれた。
ナースさんや医師さん達は色々質問攻めしてきたが、それを必死に受け答えし、病院から出た。
車に轢かれてあんなにも重傷だったじゃないか!という質問には本当に参った。
自分でも有り得ないことだと思っているのだからわかるわけない。
だから一応知らぬ間に治ってました、と言っておいた。
信じてくれてはいなかったが、「今時都市伝説の首無しライダーとかも居るんですから、もしかしたら私が知らぬ間に都市伝説みたいな物体に治してもらったのかもしれません」と言ったら顔は歪んでいたが、何とか納得してくれた。(ちょろいな)
それからは医師さんに厄介なことはしないでくれと少し怒られてその日は直ぐ家に帰ったら風呂に入り、夕飯は食べずまま寝た。

そして次の日。
私は来良学園へと勉強しに行く。
昨日は来良には言ってないからはっきり言うと来良への行き方がわからない。
が、来良の制服を着た登校中の生徒が丁度目の前を通っていったので、その人に付いて行き、無事に来良学園に着いた。
アニメで見たよりも当たり前だがかなり迫力があり、内心吃驚した。
いや、寧ろ感動した。
矢張り生とテレビ越しとはかなりの差がある。
入学したての一年生のようにドキドキと心臓を弾ませて、来良学園へと足を踏み入れた。


校内の作りなどはアニメや小説でも紹介されていなかったので勿論ながら教室が何処にあるのかは迷ったが、感で教室に向かってみたら三年教室があったので何とか三年教室には着いた。
実は言うと自分のクラスが何処だかは知らない。(当たり前だが)
それに、昨日入学式だったし私は休んでいたようなものだから自分の教室が何処なのか分からなくても可笑しくはない。
これもまたもや感で、トリップする前の教室と同じかな、と思って適当に教室に入ってみた。
するとその教室には真紀が居り、私はこのクラスで合っていたのだと分かった。



「あ、真紀」


「芭菜、私達また同じクラスだね!良かったぁぁぁ!!」


「うん、そうだね」



去年も“私”は真紀と同じクラスだったのか。まぁ、別に知らなくていい事実だから特に気にはしない。

私は昨日先生が残したのだろう各自の席の場所が書いてある黒板を見て、自分の席へと座った。
運が良いのか悪いのか、偶々前の席に真紀が座っていて、私によろしくねー!と元気よく言ってきた真紀に対し、私は面倒くさくなるなぁ、と思った。
けど心の何処かで少し安心感もあった。
やっぱりこの世界の中で大体知っている人物は真紀しか居ないからだろうか。
それなら仕方がない。
あぁ、早くこの世界に慣れたいなぁ。
小さく溜息を付いた瞬間に先生が教室に入り、誰かが「起立」と言ってSTが始まった。



♂♀



四限目になり、私達のクラスは委員会決めが始まった。
一限から三限では自己紹介や先生の話を聞いたりしていた。
かなり眠かった。

そして今、決まった学級委員を中心に他の委員を決めている。
結構このクラスはみんな積極的な人達が多いらしく、次々に委員が決まっている。
なら私はやる気もないし面倒だし寝ていよう。
そう思い顎に手を当て、目を瞑った。
春だからか日差しが良い感じに窓から入ってき、私に丁度太陽が当たる。
太陽の暖かさを感じながら本格的に寝てしまおうか、そう思った時だった。



「委員長ー!芭菜が風紀委員したいって言ってますよー!」



その声に目を見開けば、前の席に座っていた真紀がニタニタと嫌な笑みを浮かべながら此方を見ていた。
きっと私が寝ようとしていたところを阻止する為に言ったのだろう。



「いや、私しませ」


「あぁ、本当?いやぁ、助かる!丁度風紀委員してくれる人だけ居なくてさぁ。本当助かるよ!ありがとうね!」


「え……あ、はい。どもです」



委員長さんの言葉に何も言い返せずに私は苦笑いを浮かべながらついつい了承してしまった。
真紀の方を見ればお腹を抱えて爆笑している。
一発殴っておこうか。

それにしても何でみんな風紀委員だけ嫌だったのだろうか。
体育委員とかボランティア委員とかみんな積極的に手上げてやりたがってたのに…。
あぁ、三年生だから風紀よく乱すもんね。
制服とか髪型とか。
まぁ、三年だから殆どの人が私服だけど。

あ、そういえば紀田君も風紀委員じゃなかったっけ。
………。
あんまり関わりたくないんだけどなぁ…。(傍観していたいから)
ま、紀田君だって“私”とはそんなに長い付き合いじゃないから委員会では話しかけたりはしないだろう。
他の先輩とかもいるしね。
なら、まぁ、いっか。



面倒事は大嫌いです

やっぱ委員面倒だし止めておけば良かったなぁ…。




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