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スパァァァァン!


ルカの返事と同時にイルミは今しがたまで会話をしていた男の額に針を投げつけた。

「て、てめぇらどこの組だ!」

残りのマフィアが銃を構え、発砲した。

ルカが前に出ると器用に棍で全てガードし、言った。

「組じゃない。金を貰って残党狩りに来た。」

そのまま棍の柄にあるボタンを押す。

シャキッと刃が出ると銃を構える男の腕ごと切り取った。

「う、うわあああーー」

切り取った銃付きの腕をキャッチするとそのまま男の手を使って引き金を引いて、男の脳天に弾をぶち込む。


「イルミ、半分おねがい。」

「うん。」

ルカは腕を投げ捨てると銃を構えている男達の間をかいくぐって行く。

棍の刃で首を落として行く。

イルミもまた針を刺して殺して行く。

そこにいた10数人が息絶えて一息つこうとしたところ、部屋に置いてあったソファの下に潜むマフィアがイルミを狙って銃を構えていた。

ルカは即座にソファに乗ると棍でソファごと男めがけて貫く。

グチャッと潰れる音がした。

「あれ?俺狙われてた?」

「うん。」

「そうなんだ。ありがとう。」

「 どういたしまして…」

ダスティ・アイのルカとの会話は少ない。

「一応隣でお寝んねしてるっていうマフィアもみてこようか。」

イルミが部屋を出たのでルカもそれに続いた。


隣の部屋には確かにマフィアが死んでいた。

「なるほどね…」
イルミが呟くのでルカがどういう事か聞いてみる。

「ここで死んでる奴ら、皆ポリオ物産…ノストラードの残党だよ。で、さっき俺達が殺ったのはそこと対立してた組だね。」

ポリオ物産は確かにノストラードを抜けた後リオーネ財閥と取引を望んでいた。社長こそクモが殺したが未練がましくリオーネ財閥支社に潜んでいたところほかのマフィアと争いになったのだろう。

「バカだな。マフィアは。」

「トップが潰れるとマフィアは弱いから。十老頭も死んでるしね。ヨークシンはマフィアのいない都市になるかもね。」

それはそれで平和な事だよ、と平和主義とは無縁な者達の会話に他の人間が聞いたら呆れてしまう事だろう。

ルカはイルミの話を聞きながらゴソゴソと物を漁る。


「何やってんの?」

「盗賊なんで。何か金目の物ないかと。」

「へえ…ルカ、なんか変わったよね。」

イルミのその言葉に瞳が元に戻る。

「…色々あったからね。」

「うん、知ってる。」

「もう、吹っ切れたんだ。」

「そっか。」

ルカは手近な所にあった金庫を破壊するとそこに収められていた金を取る。

「ん?」

金を取り払った下には白い粉。

イルミが後ろから覗き込んで言った。

「覚醒剤だね。なるほど、これで再起を図ろうとしてたんだ。」
イルミは一つ手に取る。

「くだらないね。本当に。」

ぽい、と覚醒剤を投げ捨てると
「じゃ、行こう。」
と金を懐にしまったルカと共に支社を後にした。


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