「イルミ!お待たせ!」
待ち合わせ場所にいくと、イルミは壁に寄りかかって待っていた。
「久しぶり。」
「久しぶり!元気にしてた?」
「まぁ、上々かな。ルカは…楽しそうだね。」
「ふふ、毎日幸せだよ。」
「そっか、良かったね。ちょっと妬けるな。あの彼といるんでしょ?」
イルミの言葉にポと頬を染める。
「まあいいや。とりあえず今日の予定だけど…」
イルミが例のマフィアの残党の居場所をルカに伝える。
人数は20人。
「本当、多いね。何か暗殺って感じじゃ無い。」
「でしょ?だからルカ呼んだんだよね。依頼主も別に密殺じゃなくて良いって言ってるから。」
暗殺者と一言に言ってもその全員が毎回密殺というわけでは無いのだ。
単純に暗殺者は生業として成り立つが幻影旅団の様に賞金首は職業ではない。
依頼しようにも余程裏社会に精通している人間でないと幻影旅団と直接のコンタクトを取る事は不可能だ。
その点暗殺は依頼しやすい。だから現実にはただの殺しでも暗殺者が雇われる、という事だ。
「それで、この人達どこにいるの?」
ルカが聞くとイルミが答えた。
「倒産したリオーネ財閥の崩壊してない支社ビルを根城にしてるみたいだね。」
流石に驚いたが確かに会社として機能していたビルだ。様々な物も揃っているし何不自由しないだろう。
「何で警察は何もしないんだろうね?」
「そりゃ、ルカ達が自衛隊と警察リオーネ襲撃の時かなり殺ったから足りてないんだろ?」
「あ、そうか。」
「とにかく行ってみよう。」
イルミについて行く。フェイタンはどう思っているのかわからないが、少なくともルカはこのイルミと言う男が嫌いではなかった。
淡々としているが何故か親しみが持てるのは彼がヒソカの友人だからなのか、それともキルアの兄だからなのか、わからなかったがルカの肌には合う人物である事は間違いなかった。
「あーイルミ良いなぁ、髪長くて…」
ルカがつぶやくとイルミは
「あ、そっか、髪切れちゃったんだっけ?また伸ばせばいいじゃん。」
と、答える。
「そうなんだけど…短いの慣れちゃうと楽でつい…」
「俺も昔はずっと短かったけど、確かに乾かすのも早いし楽だね。」
「だよね〜」
と既にかなり親しげな会話が繰り広げられる。
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