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「ルカさん!繋がった!」

キルアに呼ばれて今度はアルカも一緒に3人でキルアの元に戻る。

キルアの話は全てうまくまとまっていた。

まずキルアの父シルバが今回のベンズナイフ盗難事件を仕込んだのは間違いない。そしてその目的がアルカであることも間違いない。しかし厳重に鍵をされているリダの金庫の中からどうやって盗難させるか、それを思いついたのは気にも留めていなかった執事の言葉。空間転移の能力者の話だ。

そこでおそらく兄のイルミに頼んでハンターサイトで調べて貰いノヴと接触。金を積んで依頼をしたが、ノヴの能力には制限があった。

フェイタンの予想通り入り口と出口が必要だったのだ。ということは預けた金庫の中に出口を作らなくてはいけない。そこでノヴが思いついたのが愛弟子であるパーム、という人物の能力。彼女の能力は一度視認したものを見張ることが出来る。つまり金庫内の何処にベンズナイフが置いてあるのかがわかる。

その後はノヴがなんらかの方法でリダの元へとやってきて、金庫を開けさせる。その時に出口を作った、という話をキルアはした。

「何らかの方法って?」

「ノヴって、ハンター協会の中でも上層部に近いんだよ。会長のネテロに頼られる位だからな。つまりハンター協会の指示ということを口実にすればリダは従わざるを得ないわけだ。」

ルカはその話を聞いてすぐにリダにそういった事が無かったか電話で確認を取った。



「やっぱりキルアの予想通りだ!そういうことが少し前にあったって。でも見張ってたけどその後もナイフはあったし、金庫内に何か描かれた形跡も無かったって。」

「そりゃそうだぜ。あいつの能力、確か出口作るところに指で円を描くだけだし。」

話がようやく纏まり始める。

キルアはまた思案してから誰にコンタクトを取るか決めたらしい。

「パームにする。パームの方が多分協力してくれるはずだ。」

ノヴの愛弟子だというパームを相手にすることに決めたらしい。すぐに連絡を取って、パームと夕方に待ち合わせをした。






パームが指定した待ち合わせの場所は近くにある広場。

「パーム!」

キルアが声を掛けたのは長いウェーブの髪が特徴の女だった。

「キルア、久しぶりね。そっちは新しい仲間かしら?」

「いや、仲間じゃねぇけど、今ちょっと協力してもらってる。こっちは俺の妹。」

───仲間じゃないって、そんなあっさり……!?まぁ、そうだけどさ。

「そう、それで何か用?いきなり呼びつけておいて大した話じゃないなら帰るわよ。あ、愛の告白なんかダメよ!私は身も心も先生に捧げたんだから!」

「するわけねーだろボケ!」

───中々、変わった人だなぁ。フェイタン笑い堪えてるし。

「違う?じゃあ、なんだってのよ?」

「とりあえず話聞けよな!相変わらずうっぜーな!」

今にも喧嘩を始めそうな2人をアルカとルカでなんとか諌めて、噴き出しそうなフェイタンもついでに諌めて、話を始めた。とにかくここはキルアではなくルカから話すべきと考えた。

「えっと、私はルカと言います。パームさんにお聞きしたいのですが、最近ベンズナイフの件で何か仕事を受けていませんか?もしくはノヴさんが依頼を受けて、それに協力したりとか……」

ルカが全てを話終わる前にパームはあっさりと
「ええ。あるわよ。でも返さないし教えないわよ。先生に怒られちゃうもの。お金も依頼人から貰っているしね。」
と答えた。やはりパームは絡んでいたのだ。そしてそれはノヴの能力も使われたということである。

「キルア、どうする?」
「んー、パーム、何でその依頼が来たかお前知ってんのか?」
「は?知るわけないでしょ?私は先生についていくだけだもの。」
「そうか。それじゃ今からまぁ、お前うぜーけど信用だけはしてっから話す。後の判断はお前がしろよな。で、こっちの満足いく答えじゃ無ければ、そん時は、お前は敵だ。ノヴもな。」

はっきりと言ったキルアにパームは怒るかと思ったが案外そこは冷静な判断力を持っていた。

「わかったわ。」


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